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2017年10月 8日

アラビアの女王 愛と宿命の日々(2015)

Queen_of_the_desert

- Atlas Distribution,  GAGA.etc -

イギリスの学者にして諜報員的役割だったガートルード・ベル女史の伝記物語。DVDで鑑賞。

「アラビアのロレンス」を意識したのか、高尚で叙事詩的な作り方の作品。誇り高い雰囲気を随所に漂わせ、古い名作映画のような高級な感じがする。その分、現代風の軽いノリのようなものはない。若い観客は、きっとソッポを向いたのではなかろうか?

ニコール・キッドマンは50才近いはずで、ヒロインを演じるには無理があったと思う。でも照明や化粧などを工夫したのか、充分に美しく、気品の漂う女優ぶりだった。古い時代の名女優、大スターの雰囲気が感じられ、名演だったと思う。彼女は、古いタイプの女優のようだ。

演出が、少しテンポに欠けるような気がした。特にヒロインと、ジェームズ・フランコ演じる外交武官?とのデートシーンは、冗長ではなかったろうか?会話が多すぎ、濡れ場になっていない印象を受けた。印象をよくするためには、ロマンチックだが時間は短めにすべきだったと思う。

領事を演じたダミアン・ルイスがまた良い味を出していた。この人は役人を演じさせると抜群に雰囲気が良いようだ。恋愛専門の役者やアクションスターなどにはならないと思うが、この役には向いていた。

しかし、ベル女史がいかに優れた学者、官僚だったとしても、今日の中東の混乱を招いた英国政府の一員だったとして考えたら、やはり罪はあると思う。ベル女史の意見が通らなかった点も多かったろうが、責任は免れ得ない。

英国が、どのように考えるべきだったのか分からない。どう対処しても、アラビア半島は常に部族対立、宗派対立を繰り返し、殺し合っていたのかも知れない。関与しようとしまいと、何も大きくは変わらなかった可能性はある。

シリア、ヨルダン、イラクなどに分割したことや、その国境線の決め方などは、展望を開きにくい悪いタネをまいてしまったように思う。ISの誕生にも、英国の政策は関わっている。呪われて然るべきかも知れない。

そんな政策に関与した女史を描く場合は、違った描き方もあったのではないか?恋愛に重点を置いたのは、正しかったのかどうか?

 

 

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