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2017年9月 5日

とうもろこしの島(2014)

Cornisland


- Corn Island -

河の中州を利用してトウモロコシを作る農夫。しかし、河の近辺は紛争の最中で、ある日、怪我をした兵士がやってくる・・・・

・・・ジョージアと、アブハジア地域との紛争を描いた作品。地図を見てもアブハジア地域内部に大河はないようだが、国境近くのパタラ・エングリという河を拡大してみると幅200M以上もあり、中州も多そうだ。この川が舞台になっているのだろう。

コーカサス山脈の麓に位置するから、水量は多いはず。中州があるということは、水量に大きな変動があることも意味するだろう。河の中州に畑を作るのは、普通は危険ではないか?気候によっては、全ての努力を流されてしまうだろう。

その点は、象徴的かも知れない。敵兵を介抱し、逃がし、作物を作り、兵士達にワインをごちそうし、孫娘と過ごす・・・そんな、あらゆる行動、全ての努力が全部流されて無に帰す。そこを際立たせるには良い場所だ。

紛争を調停し、仲を回復しよう、人道に反する行為をやめさせようとした、あらゆる努力が破綻し、流されてしまう。そんな悲劇の後に、また新しい努力が始まる、ラストはそれを感じさせた。

もしかすると、ジョージア近くは人類誕生の地かもしれないそうだ。大昔の石器や人骨が発掘されている。そして、国家や宗教が入り乱れて、侵略や独立運動の歴史を繰り返している。外国との関係は、日本よりずっと複雑で、血なまぐさい。何度も全てを流されるかのような悲劇が襲ってきたということだろう。

セリフが非常に少ない映画。無言のまま作業を繰り返す老人と孫が、少し異常な気もする。もっと自然に会話したほうが良くなかったろうか?日常の中に、急に兵士達がやってくるほうが、観客には緊張感が分かりやすいと思うが・・・

監督はジョージアの方らしい。孫娘役はオーディションで選ばれた少女だそうで、確かに演技力を感じる娘ではなかったが、魅力的な表情をしていて、いかにも現地の美少女の雰囲気がした。老人役は本職の役者だそうだが、ずんぐりした体型、皺の多い顔に味があった。

河のそばは土が肥えて、良い畑になると思う。平成29年の九州北部の豪雨で被害を受けた朝倉地域は、川に沿って町が発達したことが覗える地形だった。地域外の人間にすれば、もっと高台に家を建てたらどうだろうかとも思えるが、高台だと水の入手などが難しい。住む場所と田畑の場所は、両立が難しい。

山間の集落は、山林が大きく崩れると木が橋を塞ぐから、川の流れが想定外のほうに変わる運命にある。いろんな水害を見てきたが、集中豪雨による場合は、たいていは木が橋に引っかかって酷くなっている。昔は橋が壊れて流されていたから、被災地域が狭くて済んだが、最近はコンクリート橋が多いから、そこがダムになってしまうのが現状。おそらく、そこらの配慮が足りていない。

橋の上流には、必ずセットで砂防ダムのような構造物が必要。土砂や流木がどこかに引っかかって、橋を最初に襲わないようにすべき。それが難しい橋は、とてつもない高架橋にするか、直ぐ流される構造にするしかない。

橋を高くするのには限界があるし、川幅を拡げるのも、住宅の移転が大規模に必要だから難しい。バイパスのような流れ、貯水力のある遊水池を作る場合も、とてつもない予算が必要になる。金のことを考えると、避難所の設定や、避難計画、訓練、情報管理などでやり過ごすのが現実的になるのだろうか?

 

 

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