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2017年7月19日

ウルヴァリン:SAMURAI(2013)

The_wolverine_2

- 20th Century Fox -

X-MENシリーズの中で、日本を舞台にした珍しい趣向のスピンオフ作品。平成29年6月、テレビで鑑賞。原作のアメコミもあるらしいので、映画限定の企画ではないようだ。劇場公開されていたのかどうか、記憶にない。

日本映画の影響が強く感じられた。忍者達も登場するし、雪の中で戦いが繰り広げられるのは、わざわざ忍者の活動の舞台にふさわしい設定だったのだろう。野獣のような怪物との戦いは荒野が似合う。超能力ミュータントとの戦いは建造物がないと物を飛ばせないので盛り上がらない。舞台設定は、基本に則っていた。

でも、内容はほとんどなかったと思う。日本が舞台になって、忍者やヤクザ達が敵となり、鎧が登場してくることが大事で、ドラマ部門、原爆の被害や友情、愛情に関しては二の次ではなかったか?設定が安易な二級品の臭いがした。

末っ子といっしょに鑑賞したのだが、子供もそれほど熱中して観ていなかったようだ。新幹線の上で戦うアクションシーンには興味がわいたらしいが、ドラマの部分は他のことをして観ていなかった。全体として、シーンの半分以下しか観ていなかったのでは?そんな映画だと、劇場主も思う。

日本を舞台にしたハリウッド作品のほとんどは、荒唐無稽なものだ。もはや今日の日本の状況は、欧米の多くの人が知っているだろうから、わざわざエキゾチックな描き方をする必要はないような気がするのだが、普通に描いては能がないと思っているのだろうか?

ウルヴァリンの個性は素晴らしい。強すぎない点が良い。シリーズ第一作では、巨漢の怪人から投げ飛ばされ殴られ、ほとんどやられっぱなしだった。あれが例えば圧倒的に強かったりしたら、苦しそうな表情を浮かべても嘘くさく感じられただろう。弱々しさが共感につながり、主人公としての存在感に役立っていた。

その点は、この作品でも生かされていて、ウルヴァリン君はたびたび攻撃され、自慢の治癒能力も損なわれ、何度も危機に陥っていた。不死身のまま、ただ勝ち続けていたら、キャラクターの底が浅くなりすぎて、つまらなくなるばかりだったろう。

ヒロインは二人いたことになるかも知れない。財閥の後継者となる娘と、その義理の妹。恋愛感情が漂うのは財閥後継者のほうだが、モデルのTAO嬢は、日本人の感覚では令嬢の雰囲気がしないし、体型は素晴らしいが演技力は疑問の方で、この作品の相手役として相応しかったか分からない。義理の妹の存在も、そもそも必要だったかすら分からない。

海外の人達には違って見えるのかも知れない。ぜひともモデル体型の美女がヒロインにならないと、主人公が助けようという感情が生まれないと感じるのか?

劇場主が、この作品のストーリーから考えるヒロイン像は、意志が強そうで声に迫力があり、いかにも周囲の人達をリードしていけそうな凜々しい印象を持つことが望ましいと思う。声量が大事だし、目の力も必要。体型は準日本風でも構わないと思う。和服で隠せば良い。そのうえで英語力があれば良い。きっといたと思うのだが・・・・

結局、ウルヴァリン君は壮大なワナにはまってしまっていた。その仕掛けが明かされるシーンには、妙なドリルが登場して面白かったのだが、あれで能力を奪われそうだと観客も納得できる方法ではなかった。あんな面倒くさいことをしないで、捕らえた時点で力を奪ったほうが早いはず。漫画的すぎる一連の流れは、映画的にはいかがなものかと思えた。

 

 

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