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2017年6月25日

ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994)

Natural_born_killers

- Regency,Warner -

・・・・殺人者カップルの行動を描いた作品。原案はタランティーノ監督で、実際の監督はオリバー・ストーンがやったらしい。その経緯は分からない。社会派のイメージが強いストーン監督が、なぜ関わったのかもよく分からない。DVDで鑑賞。

この作品の存在は知っていたが、どんな作品なのかは知らなかった。また、ジュリエット・ルイスがヒロインだとも知らなかった。この作品には「ギルバート・グレイプ」と同じ頃に出演していたようだが、役柄がかなり違う。俳優の家庭に育って、演技に関して早熟で上手かったのかも知れないが、本物の殺人者の雰囲気が強く感じられたとは思えない。

本物の雰囲気が強くなると、見るに堪えない作品になるから、あえて演技が見えるようにしていたのだろうか?

テーマは、おそらくだが我々の中に潜む野獣性、凶暴性ではないかと思う。テレビキャスターが人質になりながら積極的に脱獄の手助けをする様子や、刑務所の所長自らが凶暴な行動で収監者を取り押さえる様子、さらには彼らを逮捕する刑事が実は殺人者であることは、裏に潜んだ衝動、凶暴性を表しているのではないか?

監督の解説を観てみたら、編集の途中でかなりのカットをやっているようだ。つまり、撮影しながら方針を変えて、表現のやり方を検討していたのだろう。映画では、そんなことが多いという。行き当たりばったりの演出の中で、表現法としてマズイ部分もあったのかも知れない。「俺たちに明日はない」とは少し違った路線だったようで、評価としてもそれなりになってしまったと思う。

両作品とも似たような主人公であったのだが、鑑賞後の印象は全く違う。作品として完成するうえでは抱えたトラウマを上手く表現し、観客の同情を買う必要はある。その演出に、少し足りないものがあったように思う。

作品のためには、殺人者の人格が理解できることが望ましい。普通には理解しがたい凶悪犯でも、その生い立ちや思考パターン、彼らなりの道理があるのかどうか?そこが作品のテーマにつながるし、観客の納得にも結びつくだろう。この作品、充分に納得させる力があったとは思えない。

この作品は恋人と観るべき代物ではない。こんな作品で喜ぶような人物とは、とっとと別れたほうが安全だ。いつ殺されても不思議じゃない。もちろん、子供には絶対に見せたくないタイプの映画。バイオレンス映画の中でも、最悪の方向性にあると思う。

ただし、人に潜んだ邪悪な業は否定できない。現実に裏社会は歴然と存在するし、身近にも怖ろしく凶暴な酔っぱらいがいる。そして、サイコパスのような冷たい凶暴性、過剰な競争意識に満ちた人物も多い。暴力に訴えなくても、経済的な暴力によって富を独占しようとする人は珍しくはない。そんな人物でも成功したら賞賛されているのが現実。ほんのちょっとした違いしかないのに、成功者と生来の殺し屋に分かれる、そんな印象もないわけではない。

劇場主は、生来人が良い。ナチュラル・ボーン・グッドマンと言える。運転の際には譲ってばかりいる。早くから脇に寄せて、高齢者や若い女性の車を優先させ、自分は後回しだ。ただし、その善意は相手からの感謝を期待しての面がある。譲ったら、にっこり会釈でもして欲しい。ときどきは酷い車もあり、譲ったこちらを怒鳴っていくような信じられないクソ車には、殺意さえ覚える。「ナニ考えてんだ、テメエ!」・・・そんな時、自分に潜んだ衝動性に気付く。

 

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