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2017年6月16日

ジャック・サマースビー(1993)

Sommersby

- Warner Bros - 

・・・・戦争で死んだと思われていた夫が6年ぶりに帰還した。夫は人格が変わったように村のために貢献し、娘も生まれ、前途洋々と思われたが、逮捕されてしまう・・・・

DVDで鑑賞。実際の事件を元に作られた話で、リメイク版らしい。主演のリチャード・ギアは制作者も兼ねているから、リメイクの強い意欲を持って企画を進めたに違いない。

物語は面白いし、事実に基づくとしたら興味深い。だが今日的には、その意義がよく分からない話。たとえばベトナム戦争後の帰還兵が多かった時代など、意図した何かの狙いがあったのかどうか、画面を見ていても気づかない。良い題材だとは思うが、この企画をなぜ進めたのか、理解はできない。

この作品は、家族で鑑賞するタイプの映画ではないと思う。恋人と観るのが一番だろう。ちょっと変わった形の、物語性の強い恋物語といったところで、普通の恋愛映画を観るより面白いと思う。ただし、作品全体の出来映えは、大傑作と言えるレベルには達していないはずなので、退屈するカップルもいるだろう。

敵役の一人は、後の米国大統領役で有名になるビル・プルマンだった。彼は表情を作りすぎているように思え、あんまり好印象は感じなかったが、颯爽としていたら主人公がかすんでしまうので、敵役としては良い表情だったのかも知れない。

妻役のジョディ・フォスターが31才の頃の作品。色が他の俳優よりずっと白く、肌がやけに美しく感じた。特殊な化粧をしたのだろうか?おそらく役柄を考えると清楚なイメージを強調する必要があったはずなので、ライトを彼女だけに当てるような演出があったのかも知れない。この作品に限って言えば、彼女も少し演出過剰な印象を受けた。

主人公のリチャード・ギアも、自然な演技ができたとは感じない。好感は充分に感じたが、舞台俳優のような演技で、感情の変化が急にあるような、何かのバランスが狂っているような印象を受けた。

6年経て帰ってきた人間は、たぶん風体は非常に変わっているだろう。でも、友人達が本人か別人か判別できないということは、通常なら考えられない。20年くらいの時間が経てば、あるいはありうる話かも知れないが、6年くらいでは無理だ。友人達との細かい過去を全て記憶することは難しい。話の設定に無理があった。

村人も共犯になって、どうしても同一人物だと言い張らないといけないような事情があったほうが、話の展開としては無理がないと思う。経済的な事情なら、それはありうることと思う。その状況を、外部から探索する人物がいて、そいつを悪役としたほうが納得のいく流れになったはずだ。

日本の場合、小野田寛郎氏などの実例は有名だし、抑留から帰ってきた話は万の単位であるはずなので、題材は多いはず。でも、帰還兵が巻き起こす物語は、意外に映画化されたものがないような気がする。少なくとも有名な作品では記憶がない。成りすまし事件も、実はあったのではないだろうか?色々奇想天外なな作品が作られて当然と思う。日本でこそ、この種の物語のストーリーには意味があると思うのに、なぜか作られない。

 

 

 

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