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2017年5月23日

ジャングル・ブック(2016)

The_jungle_book

- Disney -

ジャングルでオオカミらに育てられたモーグリ少年だったが、彼を恨むトラとの対決が待っていた・・・

・・・・DVDで鑑賞。いちおうミュージカル作品になっていたのだが、ほとんどの時間は少年と動物たちが会話したり、走ったりする様子が描かれており、ミュージカルの時間帯は長くない。その点で、中途半端な印象は受けた。でも曲自体は素晴らしい。サルの王様の歌は、オリジナル版の曲だろうか、それとも今作の新曲か?

画像も実に素晴らしかった。昨今のCG技術の進歩には驚かされる。「ナルニア国物語」でも、生きたライオンとしか思えない動きが表現され、もはや技術的に完成された感があったが、この作品は、あらゆる動物の動き、表情が実に美しく描かれ、実写としか思えない完成度。声優達も、一流どころを集めていたようだ。ディズニー映画の中でも、かなり力を入れて作られていたように感じた。

でも物語の企画としてはどうだろうか?見終わった後、この作品で特に感動したとは感じなかった。夢や勇気、何かの共感を匂わせる良い雰囲気はあったが、感動作とは感じなかった。劇場主の側の感性の問題かもしれないし、企画の問題かも知れない。

1967年のアニメ版は観たことがないが、絵本になっていて子供の頃から知っていた。イノシシなどと歌ったり踊ったりするシーンがあったはずだ。子供向けの愉快さに関しては、67年版のほうが徹底していたのではないか?

そもそもジャングルの中だけでの戦いで、今日の時代、感動を得られるものか?ジャングルより怖いテロとの戦いが連日報道されている日々である。核爆弾を落とされる懸念もある。先日のように、マレーシアの空港で、妙な液体をかけられて暗殺される恐怖と比べ、トラの恐怖はそうでもないように感じる。

もしかするとトラ一匹ではなく、集団としての悪者軍団が敵のほうが良かったのかも知れない。嫌がらせや、テロのような嫌らしい攻撃を他の動物に与える最悪の集団が敵だったら、怖さや嫌悪感が際立ったと思う。これは意外に大事な点だったかも。基本、敵は一人ではないことが実社会では多いし・・・

まあ、原作があるから大きく設定は変えられないだろう。少しだけ変えて、たとえばトラの首領に、野犬のような他の動物の手下がいるくらいで良いかも知れない。個々は弱いが、トラの威を借りて弱いものイジメをする悪いヤツラが欲しい。そんなヤツラがいたほうが、やられる側はより悔しいものだ。

また、主人公を助ける連中との心の結びつき、仲違いから最終的には献身に至るといった物語の流れにも欠けていたように思う。蜂蜜を得ようと工夫する場面などは、もっと省略しても良かったかも知れない。騙していたという概略さえ分かれば良かったのだから。そういった時間配分の点でも、問題が感じられた。

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