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2017年5月17日

エクス・マキナ(2015)

Ex_machina

FIlm4 Universal etc

- 恐怖 -

人工知能開発の仕事に主人公は抜擢される。AIと面接して、人間性を確認する日々。しかし、主人公は騙されていたのだった・・・・

・・・・アカデミー賞の視覚効果賞をとった作品。DVDで鑑賞。静かな作品で、映像は非常に美しかった。アレックス・ガーランドという方が脚本、監督を担当していた。

エクス・マキナはラテン語らしい。この作品では、おそらくヒロインが機械仕掛けの束縛から脱することと、どんでん返しをかけたたような意味合いらしい。

似たような話は過去にもあったと思う。人間とコンピューターとの差がはっきりしなくなった時に、どんなドラマが起こるのだろうかという疑問は自然と起こるもののようだ。そこから様々なアイディアが生まれてきた。

「A.I.」は印象深い作品。母親から森の中で捨てられる悲しい場面があった。人間の子供を捨てるのと同じだから、涙なしでは観れないシーン。この作品は、あのような悲しさ、ドラマを重視していない。もっとサスペンスに重点を置いており、誰がどんな嘘をついており、どんな結末が待っているのかという点がミソ。狙いは良かったと思う。

ヒロインに相当するAIを演じたアリシア・ヴィキャンデルという女優さんが非常に美しかった。加えて、腹の部分などが透けて見えるCGも印象的。気味が悪くならない程度の内部構造、顔が非常に整っている点、動作も優雅でバレリーナみたいに動く点などが魅力につながっていたように思う。演技力以前に、彼女のキャラクター設定で成功していた。

オスカー・アイザックが事実上の主人公だったように思う。彼は歌手を演じたり、ヒーロー役をやったり、今回の奇人役も実に絵になっていて、演技力や存在感に感心する。ヘヤスタイルの選択も素晴らしかった。

傑出した仕事を成す人物には、サイコパスが多いと言う。確かに、人のことを考えて遠慮していたら大きな仕事を逃す可能性が高い場合もある。遠慮も配慮も、最初からないほうが仕事の上では都合良い。この人物は、そんなサイコパスの雰囲気が充分に出ていた。結構、魅力的な匂いも漂わせている。それもサイコパスの特徴らしい。

この作品は大傑作には成りきれていないように感じた。やはりドラマ部分での盛り上がりに欠けていたからだろう。涙なしで観れないようなドラマが欲しい。おそらく、誰かが犠牲になってヒロインを脱出させる展開か、あるいは相互に騙し合って勝者が次々変わる設定が欲しかった。

悪魔のようにずる賢いA.Iの怖さが目立つように、手の込んだ話にする、あるいは逆にCEOの悪さが目立つ、あるいは恋物語に特化するなど、ゾッとさせるか涙を誘う話を作ることができたと思う。

アラン・チューリングが提唱したというテストが使われていた。テストを映画に使うアイディアは良かったと思う。しかし、実際にテストをする場合、本当に意味のある方法とは思えなかった。人間性を確かめるためには、嘘を言わせる、言外の意味を理解させる、皮肉や冗談の理解、怒らせることなどが必要ではないか?

もうすぐ自動運転の車が公道を走る時代になりそうだ。さすがに怖い。運転者であるA.Iは事故を起こさないとしても、人間側が誘発されることはないのだろうか?また、各社のA.Iの仕様が異なることで、相互の車に予想外の動きを生む可能性はないのだろうか?たぶん事故が起こったら、「想定外でした・・・」で済ませられる気がするのだが、やられたほうはたまったもんじゃない。

視覚的なセンサーを使う場合、急に濃い霧が出たら大変なことになる。雷や電磁波の影響も心配。パソコンでは簡単にフリーズが起こるのだが、A.I.も基本的には同じような構造になっているはずなので、フリーズした車が運転を止めたり、ハンドルを急に切ったりすることはないのだろうか?

開発者達は、きっとそんなことを検討中だと思う。でも想定外の事態は起こりうる。劇場主は、自動運転には恐怖しか感じない・・・

 

 

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