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2017年5月11日

マグノリア(1999)

Magnolia

- New Line ~Warner -

末期癌患者、その家族、クイズ番組に翻弄される少年、孤独な警官など、心に問題を抱える人々が入り乱れて登場するグランドホテル・スタイルの物語。DVDで鑑賞。   

それぞれの人物の演技が非常に上手く、演出も適切で、役者にも監督にも大変な才能を感じる。音楽の使い方も素晴らしく、その方面のセンス、おそらく監督自身のミュージシャンとしてのセンスも鋭どそうな印象を受ける。 

ユーモアのセンスも感じる。ドジな人間がやりそうな失敗、あせった表情が的確に伝わる。表情に注目すべき時はちゃんとアップし、背景として写っているだけのシーンでも、中心の人物の話に反応して後の人物が仕草を変えている様子が、ピンぼけ状態でもちゃんと分かるように演出されている。表現力が確か。

そもそもストーリーは監督のオリジナルらしい。神をイメージさせる流れは、作品のレベルを上げているように感じた。ただの群像劇だけでは、感動することはできない。運命や教訓をイメージさせるために、良い設定をしていたと思う。

いっぽうで全体的な流れの統一性や、話のつながり、最終的な盛り上がりには何か不足する部分があって、最高の出来映えには至らなかったような気もした。冗長になってしまっていた。

それに、この作品は子供向きの表現でない部分もあり、家族で鑑賞するタイプの映画ではないと思う。セリフには酷いスラング言葉も多かったようで、ほとんど理解できなかった。テーマとしては子供の心に関しての配慮を示唆する面があり、真摯な内容ではあったと思うのだが、作品は大人向きであった。

トム・クルーズが怪しげな啓蒙者を演じていた。自信たっぷりにプレゼンをこなすようなタイプの人物を演じさせると、若い頃の彼は非常に上手い。しかも、失敗して茫然自失するシーンがあると、そのギャップを明確に演じることができている。その鮮やかな対比の演じ分けが、彼独特だ。

ヤク中の娘を演じた女優さんや、末期癌で死ぬ寸前の患者を演じたジェイソン・ロバーツなどが、いつもにも増して非常に上手かった。名演技が多かったから、役者個人の能力だけじゃなく、演出法も良かったに違いない。

臨終のシーンがあったので、自分が死ぬときのことを考えた。

劇場主は家内に謝ることは多くないと勝手に思っているのだが、日常の態度に関しては問題がある。家内の無茶な行動を腹に据えかねて、無視したり冷たい態度をとったりすることが多いから、人として謝らないといけないだろう。でも、じゃあ今すぐに謝ったらどうかと言われると、今は嫌だと感じるのだが・・・

劇場主は、親の臨終に立ち会えなかった。遠方にいたし、仕事場を離れることが難しい上に、両親とも急変したので無理だった。幸い、意識がしっかりしているうちに生前のことへの感謝を伝えていたから、意識を失った後に会えなくても諦めがついた。一緒に暮らしていないなら、仕方ないのかと思う。

自分が死ぬときも、必ずしも子供達に集まって欲しいとは思わない。むしろ皆が忙しく、仕事で時間を取れずに集まれないまま、病院か施設のスタッフに看送ってもらったほうが幸せかも知れない。それだけ責任のある人間を育てることができたなら、そのほうが意義のある人生だったと言える。もし意識のある間に話ができているのなら、ひっそり死んで迷惑を最小限にできたほうが幸せかもと思う。

ただし、現実は随分違ってくるかも知れない。その時になってみないと分からない。

 

 

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