映画評

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2017年5月20日

1000日のアン(1969)

Anne_of_the_thousand_days

- Universal -

ヘンリー8世とアン・ブーリンの物語。DVDで鑑賞。もともとは舞台用に作られたであろう戯曲が原作らしく、この作品でも舞台風のやりとりが少しある。でも、城を舞台にした屋外のシーンも多く、室内のシーンも広大な部屋でが多い。舞台劇の古風な雰囲気は、あまり感じなかった。

ヒロインは懐かしいジュヌヴィエーヌ・ビュジョルド。「コーマ」の主役だった方で、日本人にも似たような顔の人がいるような、分かりやすい美人だった。相手役はリチャード・バートンで、はまり役だったと思う。本当の王様のような雰囲気がする。エリザベス・テイラーの相手役よりも、この作品のキャラクターのほうが魅力を感じる。

劇場主は王室、宮廷を扱った映画は好きではない。基本として退屈な作品が多いし、憎しみに満ちた話を延々と観ていると、こちらも気分的に暗くなりやすい。この種の作品を観て、楽しかったと感じることがあるのだろうか?失礼ながら、この種の映画は、韓流愛憎劇が好きなオバチャン達がターゲットなのではないかと疑う。

この作品は、質の面では高級と思う。かなりの予算をかけているように見える。作品も140分を超えて長い。作風というか、雰囲気はかなり古く、時代劇の伝統にしたがったように思える。このような暗い話で現代風の演出をすると違和感が出てしまうので、この作り方は仕方なかったのかも知れない。

でも、そのせいで今の若い人に、この作品が受けそうな気はしない。韓国ドラマが好きな人にだけは大受けするかも知れないが、例えば恋人とこんな作品を観ても、なんだかドロドロした妙な雰囲気になりそうな気がする。テーマとして、恋愛関係の若者には好ましくない。

王朝もののドラマで感じることだが、当時は王に権力が集中しており、婚姻によって権力が大きく変化するため、王に関わるかどうかが生死をも分けたのだろう。もし王の力が不安定なら、実力で命令に反対することもできる。でも権力が不安定だと内戦が起こるから、それも困る。絶対王政に向かいつつあった当時は、王のわがままにも従うべきという習慣が蔓延し、それによる弊害が実際にも多かったと考える。

ヘンリー8世が男の子を得ることにこだわったことが、悲劇の元になったようだ。史実でもそうらしい。あとは教会の覇権、利権争い、国ごとの覇権争い、家ごとの覇権争いなど、元々の根深い競争がからんで、映画のような流れができたように思う。ある意味では、自然な流れだったのだろう。でも、結局は直ぐ女帝の時代になっているから、ほとんど無駄なこだわりだった。

無駄なこだわりに、野心を持つ人間が取り入って忖度したら、悲劇だ。

日本の天皇位について。今後どのような継承が成されるのか分からないが、有識者会議のあと、閣議で方向性が決まったらしい。劇場主はしかし、有識者会議の権威には疑問を感じた。メンバー選択の根拠、経緯も不透明。それに、真にふさわしい専門家がいたとして、その人達が皇室の方向性を決めて良いのだろうか?その根拠が、まず疑問。法律の明確な規定があったのか?

会議の報告書には、会議の前提となる法的根拠が書かれていない。総理から要請されたという記載があるだけ。公的文書は、「〇×法に基づき・・・」という記載が必要だと思うが、それがない。省略してよいものか?根拠不明の人間による根拠のない会議の結論など、参考に値するのか?それを元にした閣議決定も同様。

国会承認が出たら、初めて根拠が発生するのだろうが、それでは権威ある流れとは言えない。忖度で決めちゃえという適当さを感じる。皇室に関わることには、真摯な態度を基本とすべき。本来なら、面倒だがまず国会で手順を決める対策法を定め、法に基づいて会議を開催、それを元に閣議決定および国会承認という手順が正しいのでは?そして法の範囲の中で、皇室の意見も反映されるべきと思う。

 

 

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