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2017年4月14日

ターザン:REBORN (2016)

The_legend_of_tarzan

- Villageroadshow, Warner, etc -

コンゴの支配をもくろむベルギー王室は、ターザンを取り引き材料に、ダイヤの入手を狙う。ワナにはまったターザンは、妻を誘拐されてしまう・・・

・・・・DVDで鑑賞。この作品はハリー・ポッター・シリーズのデビッド・イェーツが監督していて、それをウリにしていた。・・・ということは、あんまり期待しないほうが良い、他にウリがないのだろうねと考えて鑑賞を遅らせていたわけだが、概ねその期待通りの出来映えだった。同じジャングルを舞台にしても、「ジャングル・ブック」と比べ、明らかに暗い話。

3D作品も作られていたらしい。おそらく意図は、ジャングルの中をツタを使って行き来する様子を立体的に表現することにあったと思うが、2Dでも充分に迫力を感じた。映像の技術に関しては本当に素晴らしい。動物も景色も、迫力、美しさともに満点だ。

敵役のクリストフ・ヴァルツが、なかなか素晴らしい役割を果たしていた。セリフの中で、自身が何に価値を見いだしているのかをはっきり語り、単純な悪役ではなく、いかにも考えそうなことと納得できる悪役だった。

ターザンは、この作品の中ではあまり重要ではなかったようだ。セリフも少なめだし、元々のキャラクターが寡黙な人のイメージがあるので、ハンサムで体格が良く、動きに無駄がないことのほうが優先される役柄。モデルかスポーツ選手が演じれば良い。脇役が大事だった。

奥さん役は、マーゴット・ロビー嬢で、「スーサイド・スクワット」の悪人ヒロインと真逆の個性だったのだが、充分に品格のある女性を演じていて、非常に存在感を感じた。既にスターになったようだが若いし、今後もっと大作に出てきそうな予感がした。凄い名作を残しそうな気配がする。大スターの予感が。

この作品は、たぶん家族で鑑賞できる内容と思う。暴力シーンもあるが、血みどろの表現はかなりカットされていたようだ。恋人と観ても悪い内容ではないと思う。でも大ヒットはしていない。作り方に、何か問題があったのかも知れないと感じた。

悪名高いレオポルド2世のコンゴ支配を扱った点は、物語の重みを考えると良いアイディアだったと思う。しかし、見ていて辛くなる弊害もある。当時のアフリカ支配は、欧米諸国共通の原罪である。そして、今日もグローバリズムの中心地のひとつがベルギーである。欲に目がくらんだ連中が、今も現実に徘徊している世の中で、その先輩にあたる奴等の話をすると、なんだか辛くなる。

「コンゴ人の次のターゲットは、俺たち一般国民だったのかなあ・・・。」「俺たちの祖先も、この暴虐に荷担していたんだよなあ・・・。」そんなことも、気になるかも知れない。もちろん、気にしない人も多いだろうが。

経済活動には、一定の傾向がある。利益を追求しないといけない。安価な労働力が眠っていれば、それを使って安価な製品を大量に作る。支配力の空白を狙って資源を確保する。マーケットを増やし、もし国外市場が減れば、購買しやすい政策を作ってでも国内市場を再開拓。国民を愛国の兵士、ある時は購買者、または安価な労働力として使う。それらが、共通した手法だった。今もそうだ。

そこを連想させず、自然賛歌、愛と融和の精神に徹して作品を描けば、たぶん観た後の印象が良く、満足感を与えてヒットもしたのではないだろうか?問題からの逃避である。だから、敵は密猟者のほうが良かったと思う。

 

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