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2017年4月26日

エンド・オブ・キングダム(2016)

London_has_fallen

Milleniumm Films G-BASE etc

- トランプ時代のヒーローか? -

前作で米国大統領を救った主人公は、随行したロンドンで、またしてもテロリストに襲われる。ロンドンの街中を逃走するが、内通者によって大統領の情報が漏れてしまう・・・・

・・・・DVDで鑑賞。奇想天外なアクション映画の類に属する作品で、二級品だからと、あんまり期待しないで鑑賞を始めたのだが、意外に高度な映像表現でスピーディーな流れを維持しており、よく出来ていたと感じた。

主演のジェラルド・バトラーは制作者も兼ねていたそうで、この作品のウリを的確に判断し、商品としての価値を高めるべく、演出に必要なことはこなし、演技も見事だった。彼の大車輪の活躍が、この作品の成功の理由のひとつだろう。

トム・クルーズも自分の映画をプロデュースする能力があるらしい。彼と似たような立場で、バトラーも自らを演出し、企画に参画し、仕上げているようだ。かってチャップリンがそうだったように、全てを取り仕切るだけの才能があり、監督業もこなせるのではと思った。

この作品は、道義的に問題のあるシーンも多い。主人公はアンチヒーロー的な性格を有すると、バトラー自身も述べていた。おおむね正義のヒーローと言えるとは思うのだが、米国流のヒーローであって、万国共通のヒーローではない。興業面から言えばアメリカファーストでやるべきで、キャラクター設定としては、そうすべきだったと思う。

人権意識などない敵を相手にしていることは確かである。欧米同士が戦っていた時代とは、戦場のルールからして違う。ヒーロー像も、時代に応じて変わらざるをえないということではないか?

万国型ヒーローは、リンチめいたことをしない。でもそれでは、米国民の相当数の人達には、生ぬるく嘘っぽい印象を与えてしまうのではと考える。たとえば中西部でライフル片手に生活している人達は、「なぜ敵を殴って情報を聞き出さないんだ!」と、怒るのだろうと想像(勝手な想像だが)する。ヤワな印象が少しでもあれば、トランプ時代の今日、もはや批判の対象にしかならない。

問答無用であること、基本として力任せであること、手段を選ばないこと、タフでハードボイルドタッチの行動。そんな個性が、今は望まれているということだろう。上空から誘導ミサイルで攻撃することに、何もためらってはいけない。検討しすぎると、オバマ政権時代のように、急に作戦を中止したりしてロシアにつけ込まれる。この作品は、そこを正々堂々と訴えている。

でも巻き添えになる人には、たまったものじゃない。ラスト近くで、「建物内に民間人はいません!」と報告されていたが、あの程度の確認で大丈夫だろうか?「すんません、よく調べたら一般人の掃除夫がいました!」ってなことは、ありうることだと思うが・・・

 

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