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2017年3月27日

42 世界を変えた男(2013)

42

- Warner,Legendary -

黒人リーグで活躍していたジャッキー・ロビンソンは、メジャーリーグのドジャースからスカウトされる。しかし、激しい反発が待っていた・・・・

・・・・近代では黒人初のメジャーリーガーと言える、ジャッキー・ロビンソンの伝記映画。3月21日、NHK衛星放送で視聴。

真面目な内容の、教訓に満ちた映画だった。主人公の挫折を扱うタイプの映画ではないから、理想主義的すぎて少しリアルさを欠く内容とも感じたが、まとまった作り方の、テーマを訴える力を感じる作品だった。子供が観るのもお勧めだろう。学校の道徳教材になるかも知れない。

厳しい差別にさらされた時、人はどのように行動すべきか?そこがテーマだ。あたかもイエス・キリストのように行動した主人公は賞賛に値する。彼が違った性格の持ち主で、粗暴な態度にでも出ていたら、その後の黒人達の進出は、きっとかなり遅れていただろう。

この作品では、球団オーナーの老人役がハリソン・フォードだった。いかにも老人臭い振る舞いをしていた。彼が新しい時代の道を開いた本当の理由は分からないが、劇の中ではかってのチームメイトへの思いや、時代を見るしっかりした目、そしてメソジスト派の信条などから当然の行動を採ったのかと思えた。説得力があった。

終戦後まで、黒人大リーガーがいなかったという点に驚く。少なくとも軍隊では行動を共にしていたはずなのに、スポーツの世界で壁を作ろうとしたのは何故だろうか?おそらく、嫌悪感を持つ相手とスポーツすれば殺し合いになりかねないから、無用の混乱を避けたいといったオーナー達の配慮が働いたのか?それに、白人の客が減るのが怖かったのかも知れない。

選手達のレベルでは、負かされるのが嫌という感情もあったのかも。スポーツだから、負けても仕返しすることは許されない。レギュラーを奪われて、平静でいられるわけはない。勝利者となった黒人に対して、悔しい思いをしたくない、そんな感情は必ずあっただろう。それが激しい差別の原因のひとつになっても不思議ではない。

ロビンソン氏とは比較にならないレベルでだが、我々も差別的待遇を受けることがある。役人、上司などから指示に従うよう強制されないではいられない。学生時代は先生や先輩から、時には無茶なことを言われたり、殴られたり、人としての誇りを損なう場面があった。いまだに当時の怒りを思い出す。

でも、あらためて思うが、我を忘れて暴力沙汰など起こしたら、立場を悪くするだけだ。原始時代じゃないんだから、紳士的態度を保たないと、今日の日本では負けである。仕返ししない勇気、耐え続けるガッツがないと、自分の立場を悪くするだけじゃなく、後に続こうとしている者に申し訳ない結果が待っている。

もしかすると結果的には負け続け、チャンスを得られないまま酷い仕打ちを受けるばかりで終わるかも知れない。ロビンソンの前の黒人達は、皆そうだったはずだ。ロビンソンのようになれないかも知れない・・・・それをも覚悟する勇気が必要ということだろう。

・・・・ここ数週間の籠池元理事長(森友学園)は、憤懣を抑えきれない状況かも知れない。彼ひとりが吊し上げられるのは、耐えがたいだろう。

政治家達が攻撃しており、テレビ局も批判的報道姿勢が基本になっている。でも、森友問題を国会で扱うのは止めて欲しい。与野党がチキンレース、ワイドショー的な劇場にはまっている。国会は、もっと重要なことを検討すべきだ。それに犯罪に相当する事象があれば、まず警察や検察で調べないといけない。財務局、大阪府、森友学園、総理夫人は、国の財産を不当に扱った疑いがあるから、まず捜査が先だ。籠池氏の相手をするのは、刑事が望ましい。

ただし、捜査は進まない可能性が高い。忖度は、犯罪としての立証が難しいので、うやむやのまま終わるかも知れない。捜査機関自身も、忖度してしまうだろう。会計検査院も、普通に考えると、やはり忖度してしまうはず。制度上そうなっているので、仕方ない。もし制度を変えたいなら、まず政権を変えるしかないと思う。そして、政府から独立した立場で、政府や役人個人を調査できる監査機関も必要だろう。

 

 

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