映画評

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2017年3月30日

ラ・ラ・ランド(2016)

 La_la_land

- Summit GAGA etc -

スターを目指す女優のたまご、ジャズバーを計画しているピアノマン。彼らは恋に落ち、互いの成功を夢見て励まし合うが・・・

劇場で鑑賞。日曜日の午後の上映。満員だった。見渡せばカップルが多く、独りで観に来ていた劇場主は明らかに場違い。実はちゃんと我が奥様を誘ったのだが、ミュージカルなんぞ観るより寝たかったようで、断られてしまったのである。フンッ。所詮、情緒の分からぬ女には無理な作品なのさ・・・

アカデミー賞を取り損なった作品。滅多にないことだろうが、賞を取ったと思ったスタッフが、後で違うと知ったというおまけまでついていた。でも、他の賞をたくさん取っているから、価値が低い作品とは誰も思わないだろう。デミアン・チャゼル監督が学生時代から企画していたという。

懐かしい感覚を生かしたミュージカル。と言っても、今でもブロードウェイでは、さかんにミュージカルが上演されているはずだ。ただし映画作品は、確かに少なくなってきた印象はある。ヒップホップ系の激しいダンスをウリにした作品は多くても、かってのスタイルのミュージカルは最近なかった。その点で、新鮮でもあり、懐かしさを感じられる作品だった。

この種の映画では夢を味わいたい。夢のために観客は金を払う。この作品には夢を感じられるシーンがたくさんあった。ミュージカルで急に歌が始まるのは、そこから現実を離れ、夢のシーンに移るという約束である。そのルールにひたることに抵抗がなければ、この種の作品で夢を感じることができる。そのルールの下で、この作品は特に価値が高い。そもそも主役二人の夢が大きなテーマだったのだから。

この作品は、子供には受けないかも知れない。もしかすると女の子には受けるかも知れないが、ダンスが今風ではないので、それだけでシラケる子もいるだろう。ダンスだけでうっとりできるほど演出が良かったかどうかも、少し疑問に思う。公園のベンチ近くやプラネタリウムで踊るシーンは見せ場だったが、本職のダンサーがやるほどの美しさは感じなかった。

ラブストーリーとしては完成度が高いと思った。「シェルブールの雨傘」に近い流れで、現実に近い話になっていたから、夢物語に終わる古い年代のミュージカルとは、レベル的に違う。サプライズ・ディナーから口論になるシーンは、劇場主にも似たような経験がある。せっかく気を使ったセッティングが台無しになることは結構多い。良い反応を期待して、かえって反感を買うのである。そしてオーディションに失敗する場面など、他にも切実なドラマが各所に見られた。

主役のキャスティングに関して不満を感じた。二人とも演技は上手く、役柄から完全に外れたとは感じなかったが、どちらかは本物のダンサーが欲しいと思う。ミュージカルは派手さが魅力だから、見た目ではっきり分かるダンスの巧さは必要。少なくとも主役の片方は舞台から引っ張ってきたほうが良かったろう。

ライアン・ゴズリングは、劇場主の感覚ではミュージカルスターの雰囲気には遠い。ザック・エフロン君なみのダンサーは、きっとハリウッドには大勢いると思う。ドラマ部門のほうは、演出でなんとかなるから、ダンスやスタイル重視で選んだほうが良くなかったろうか?この作品は大声で歌うミュージカルではなかったので、ささやき声が美しい歌手を選らんでも良かったかも。

ヒロインのエマ・ストーンの過去の出演作から考えると、嘘が上手な悪女を演じた時が一番魅力的だったように思える。今回のヒロインは、性格的には全然違うタイプ。劇場主の感覚では、この作品のヒロイン役は悲劇女優のイメージが合う人のほうが望ましいように思う。カトリーヌ・ドヌーブ風の美貌で可憐なイメージの女優が演じたら、観客の涙が期待できる。

劇場で鑑賞して、損をしたなどとは感じなかった。チケット代だけの価値はある。でも、家内や子供を連れてこなくて結果的には良かったと思った。

 

 

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