映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主


Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« パーフェクト・ルーム(2014) | トップページ | 神様メール(2015) »

2017年3月 3日

ニュースの真相(2016)

Truth


- 疑惑への対処法 -

大統領選の最中、ブッシュ候補の兵役逃れ疑惑のニュースがスクープされる。しかし、証拠書類の信憑性が問題となり、報道スタッフに圧力がかかり始める・・・・

・・・・DVDで鑑賞。作品に登場していたメアリー・メイプスという女性が、この作品の原作となる書籍を書いているようだ。

この作品は、子供には面白くなさそうだ。家族で楽しむ類の映画ではないように思う。テーマは重々しくて暗く、内容は娯楽的とは言い難いし、法廷闘争やアクションシーンのない、きわめて真面目な作品。たぶん政治に無関心な人は、最初から興味を持たないだろう。

ヒロインが正しい選択をしたのかは分からない。しかし、ヒロインの演技は素晴らしかった。ケイト・ブランシェットが役柄にはまっていた。独特のプライドや仕事に対する熱意、懸命さなどが感じられ、アカデミー賞ものの演技だと思った。

物語自体は、あんまり感動できる内容ではないと思う。ヒーロー、ヒロインの活躍を描いたとは言えない。登場人物の家族の協力、同僚達それぞれの対処には、それぞれのドラマがあって丁寧に描かれていたと思うが、スパイ映画のように緊迫感が感じられるものではない。マイナー路線の作品だろう。

そもそも問題の文章の信憑性だが、作品の表現通りなら素人が作る捏造文書ではなさそうで、あくまで印象でしか言えないが、限りなくクロに近いと思う。つまり本当に軍歴詐称はあったかも知れない。でも、この種のニュースの場合は、可能性が高いくらいで報道することは許されない。完全な裏付けが必要だ。報道してしまったことは、やはり正しくない。

軍の情報は残るはずだから、除隊の証明も出来たのではないかと思う。選挙戦に間に合わせるために、無理を承知でやったのだろうか?映画だけでは、そのへんの心理、狙いは分からない。それなのに、この作品のタイトルである「真理、真実」という言葉を使うのは、少し態度がおこがましくはないだろうか?あるいは、米軍の虐待事件を報道したことで、彼女は政権からマークされていて、ワナにはまったのかも知れない。

疑惑の証明が難しい事例では、自分の手柄は放棄し、週刊誌など、他の媒体に情報を売ることも選択肢のひとつだろう。実績を上げるために焦って、大きな失敗をしないように注意すべきだった。失敗を怖れるあまり、萎縮して権力の暴走を野放しにしないことも大事で、公表するかどうか、その判断は非常に難しいものだろう。

最近、安倍首相の周辺でも妙な疑惑があるらしい。疑惑への態度には注意しないといけない。

大阪市の学校法人が国有地を異常に安く入手したと報じられている。学園側が安倍総理を利用したように見受けられるのだが、真相は分からない。総理の側も暗黙のうちに認めていたか、あるいは積極的に関与していたか、今のところ闇の中。夫人が理事に就任していたことが総理の側にはマズイ点だが、まさか夫人の意志によるとは考えにくく、総理の指示ではないか?

払い下げ金額は、明らかにおかしい。あの価格について、問題になると誰も予想しなかったのだろうか?担当の役人は、さすがに将来自分が責任を問われないかと心配しないはずはない。でも政権側に同調すれば自分はなんとかなると思ったのか?あるいは問答無用で上層部から命じられたのか?

あらためて思うに、権力は固定させず定期的に移らないといけない。国民は、その意味がどうしても理解できないようで、与党が固定し、安倍総理の天下が続いている。党の執行部や総理がいかに清廉潔白であっても、周辺は濁ってくる。今回の事例も、起こるべくして起こったのだろうに。

疑惑への対策は、権力の交代だけ。法律の改正だけでは無理。不正行為、大きな政策の間違いを防ぐためには、定期的に政権を移行させることが必須。その認識が不足している。万年与党は諸悪の根源。安倍総理がいかに優秀で、民進党がいかに酷かろうと仕方ない。権力移行を考えないなら、この種の疑惑は気にしないことだ。

疑惑が残るままでは、心が荒む。上層部だけ優遇される場合、誰が命をかけて組織のために行動するだろうか?疑念があれば、組織の力が損なわれる。国家も、その力を維持するためには、疑惑を常に解消しないといけない。信用が大事。能力も望まれるが、信用も必要。

さて、問題の国有地はどう処理されるのだろう?学園の評判はいちだんと悪くなったろうから、もはや経営維持は無理かも知れない。学校の認可も取り消しかも。その場合は、また売却されるのか?日本会議が買うのも、倫理的な問題がある。国が買い戻すのか?

首相の関与は、証明が難しいだろう。口利きに文書を取り交わすとは思えないし、役人が総理から指示を受けたと証言するはずもない。大阪府の担当者だって、松井知事の関与は否定するだろう。ただし否定しても、判断の妥当性は証明できそうにない。疑惑は残る。本来なら、判定の際の議事録の公表が必要だが、公表は渋るだろう。分からないまま終わるのだろうか?

 

 

« パーフェクト・ルーム(2014) | トップページ | 神様メール(2015) »

無料ブログはココログ