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2017年3月12日

ロンサム・ダブ(1989)

Lonesome_dove


- インディアンは・・・? -

テキサス州のロンサム・ダブからアイオワまで、牛馬を引き連れて乗り込もうと考えた牧場仲間達。しかし、彼らの前に自然や悪党、先住民らが立ちはだかった・・・

・・・・懐かしいテレビ・シリーズ。89年当時は夜遅くにNHKで放映されたのではないかと思うが、当直の合間の断片的な鑑賞しかできていなくて、全体を見たのは初めて。DVDで鑑賞。

ロバート・デュバルが主演していたのは覚えていたが、仲間役はトミー・リー・ジョーンズだったと初めて認識。彼は遅咲きの役者で、悪役として「逃亡者」あたりから印象に残るようになったのだが、今になって思えば当時からタフで頑固な人物を一貫して演じていて、この作品でも存在感たっぷりだった。

長編小説が原作らしい。単なる西部劇というより旅の物語で、冒険の中での悲劇が中心になった様々なエピソードを盛り込んだドラマと言える。NHKの大河ドラマのような重厚路線。ジョークでの笑いのシーンはあるが、ギャグの要素はほとんどなし。冒険と、それにともなう苦難、悲劇の凄さに圧倒される。重みのある物語だ。

重厚すぎて、もしかすると軽い考え方の若者には受けないかも知れない。ドラマを楽しむなら美男美女とコメディアンが出てないといけないと考えているようなアーパー人間には、このドラマは重すぎる。きっと途中で嫌気がさしてくるはず。子供には、その子の感性次第になるだろうか。観るのを止めてゲームをいじり出す子もいるだろう。

「チャンプ」のリッキー・シュローダー君が良き若者になっていた。少し笑顔が目立ちすぎたかも知れない。他の共演者と違った個性なので、よく目立ち、しかも印象が良い。彼がアクセントになって、他のしかめっ面俳優の味も生きていると感じる。

ダイアン・レインが若い頃に出演していて、たいへんな演技力を感じた。不幸な運命に陥った人間が感じるであろう感情が、派手ではない演技でよく表現できていた。他の映画では添え物的な印象しかない彼女だったが、この作品では素晴らしい。

悪役がいろいろ登場していたが、どれも非常に魅力的で、味のある役柄だった。仲間達も丁寧に焦点を当てられていたようだ。

テキサスよりアイオワのほうが歴史が長いと思っていたが、このドラマを見ると逆だった。おそらくインディアンを追い出す過程で、北部のほうが後回しになったからだろう。それにしても、この作品の中のインディアンは可哀相な立場。酷い偏見に満ちている。この作品の登場人物達も侵略者に他ならないのだが、ヒーローとして描かれている。

つまり、視点に関して言えば、非常な偏りがある。ただし、物語としてドラマとして限定した考え方をすれば、このような描き方をしないと、作品にならないのも確か。インディアン側だけの視点に立つ西部劇では、興業的に苦しい。せいぜい、主人公の白人が先住民と交流するといった程度に限られる。その傾向は、いまだ続いているようだ。

 

 

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