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2017年2月25日

シチズンフォー スノーデンの暴露(2014)

Citizenfour


- 現実を表現 -

米国情報機関のスタッフであったスノーデン氏は、マスコミに仕事内容を暴露する。身の危険が迫る中、暴露によって国家の犯罪的行為が明らかとなる・・・・

・・・DVDで鑑賞。87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門を獲得している。映画界の良心を表している。

ローラ・ポイトラスという方が監督しているそうだ。ただのインタビューだけではなく、当事者達の緊張が分かるようなシーンを記録していて、表現の技術が素晴らしいと思う。また作品の中では、グレン・グリーンウォルドというジャーナリストが画面に登場し、世界を舞台にインタビュー、講演、証言をこなし、情報発信している。彼らの行動力には喝采を送らないといけない。

いっぽうで、情報機関側がやったことは犯罪なのか、そうではないのか、そこらの法的な判断については分からない。明らかにプライバシーを侵害して情報収集をやっていたことは確かだが、それを律する法律はないかも知れない。そうすると、違法行為にはならない。各国首脳の通話を傍受しても犯罪と言えないのなら、要するに法や取り決めに不備があるということだろう。

逆にスノーデン氏は、おそらく犯罪者になってしまう。情報、国家機密の漏洩にあたるだろう。また、ロシアに行ったということは情報機関の情報を漏らしたと見なされるから、国家に対する反逆罪にも相当するだろう。罪状が数十個並ぶはず。おそらく就職の時に守秘義務に関して契約しているはずだから、明確な契約違反にもなる。国民に対しては英雄的行為だが、国家機関にとっては犯罪。変な話・・・

スノーデン氏の告発は大きなニュースだった。オバマ政権のイメージダウンにつながったはずだ。共和党政権なら当然やりそうな行為だが、人権派のオバマ氏が許可するとは意外。明らかに個人の権利を侵害しているのだから、何かの抵抗はあったはず。情報当局に押し切られたのかも知れない。でもオバマ氏のような法の専門家から見れば、合法的なのかも知れない。

仮に、たとえば劇場主がテロ対策管理者だったとすれば、凶悪テロを防止するためには、テロリストの情報を見逃すわけにはいかない。テロは悲惨きわまりない。何らかの手段によって、テロ計画を調べないといけない。何が何でも、予防しないといけない。それには通話記録、ネットの通信記録が望ましいと、通常なら考えるだろう。当然である。

そのテクニックを編み出すことが可能と分かれば、急がないといけない。日々、様々なテロ計画は進行中のはずで、同時多発テロ事件のことを反省すれば、想像の範囲の外にいる人物がテロを企画しているのだから、全ての人を対象に調べるのが当然と、結論は決まってくるのだろう。傍受を禁止すれば、おそらくテロは防げない。それが現実。

しかし、権利侵害に関して問題なしとは言えない。公聴会で虚偽の証言をした点は、明らかに違法。情報収集の対象を一般市民ではなく、限定されたテロ集団だけと偽っていた。米国政府が国民を欺いていたことは間違いない。やはり、批判は覚悟して、首脳部は正確に事実を述べるべきだったと思う。

日本も、傍受される側であろう。右翼、左翼、政治家や気鋭の論客といった人物は、必ず調査対象になっている。弱みを記録し、将来圧力をかける際に使うと思う。日本をどれだけ調べても、米国の情報部が罰せられる可能性はない。IT技術が進化する前から、日本は米国の支配下にあったのだから、情報収集技術が変わったに過ぎない。今後も続くだろう。

日本側も、その情報を利用させてもらっている可能性がある。暴力団や共産党の情報は、おそらく警察は欲しいだろう。日本側の情報と引き替えに、何かの取り引きがあっていても不思議ではない。日本独自に監視をしているかは分からない。道路上の移動は監視されているが、通話はどうだろうか?小さな選挙事務所を盗聴した事件があったくらいだから、何もやってないはずはないが・・・

誰の情報なら認めるか、そこが大きな問題。個人によって考え方は色々だろう。劇場主は、自分自身の情報を警察に調べられるのは構わない。仮にアグネス・ラムや樋口可南子の写真集を押収されても、涙を飲んで我慢する。でも、もし劇場主がベッキーとゲス不倫している最中なら、メールを読まれると困る。劇場主の精力の度合いによって立場が変わるのである。

裁判所か人権団体など、捜査を審査してくれる一定の歯止めは必要と思う。歯止めがないと、管理が厳しい全体主義的体制に陥る。現状は既にそうなっていることになる。ルールを整備しないといけない。でも、それができていない。国民の多くが認識不足だからだろう。

 

 

 

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