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2017年1月15日

アイ アム ア ヒーロー(2015)

Toho


- 後味は良し -

漫画アシスタントの主人公は、仕事も恋愛もまったく上手く行かない情けない状況。ある日、彼は自分の同棲相手や職場の人間から突然襲われ、街中に病気が蔓延していることに気づき、逃走を開始する。

漫画の映画化作品らしい。ゾンビ映画、それも日本製となると、おそらく映像技術に限界があろうから、学生映画の延長線程度のマニアックな作品だろうか?と思ったが、予告編を観たら意外に期待できそうだったのでDVDで鑑賞してみた。技術的には素晴らしいレベルだったと思う。

良かった点の第一は、ゾンビ達の動きが海外のゾンビ映画と少し違い、関節をくねらせる気味の悪いものだった点。あれは、もしかするとお化け映画の動作を転用したのかも知れない。動きに関しては、本家のハリウッド映画を越えたと感じた。

ゾンビ達が無残にやられるシーンも相当によくできていた。ショットガンで爆発的に頭が飛び散るシーンは、過去の日本映画だとはっきりとは描けない。R15指定にして、観客を絞ってでないと無理だから、制作サイドからの圧力がかかりやすい。無難なおとなしい表現になって、そのせいで迫力を失うという悪弊があった。この作品は、そこを避けた点で出来は良い。

ゾンビ達が生前の記憶にしたがって行動していた点がおかしい。あの設定は話が進むのにも役立っていたし、面白さを増した点でも正解だった。原作のアイディアらしい。

主演の大泉洋は非常に役柄と合っていたと思う。彼を意識して漫画を書いていたのかと思えるほど、情けなく頼りない雰囲気が出ていた。今回は喜劇的な部分はほとんどない役柄だったが、充分に演じきれていた。

長澤まさみと有村架純がヒロイン役だった。彼女らの個性と役柄が合致していたようには感じなかったが、こちらも充分に演じていたのではなかろうか?

残念ながら、この作品は小さい子供には全くよろしくない。やはり残虐路線でゾンビ達は無残にやられるし、描き方がリアルで、かなり気持ち悪い。恋人と観れるレベルに、少し表現を落とすこともできたと思うのだが、そうするとつまらなかった過去の路線に陥ってしまう。

R15映画にする選択を選ぶのは、勇気が要ったのでは?あるいは作者の希望、事前の読者調査、そういった内容を考えて、R15しかないと考えたのだろうか?技術レベルの向上と併せて、作品は一段抜けた高い出来映えになったと思う。気味悪いけど、後味は悪くない。

 

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