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2017年1月 9日

名探偵コナン11人目のストライカー(2012)

- 挫折に関して -

サッカースタジアムに爆弾が仕掛けられた。犯人は犯行を予告し、警察やコナン達を翻弄する。追うコナン君は、ついに犯人とサッカー場で対峙するが・・・

・・・子供が借りたDVDで鑑賞。コナンシリーズの劇場版。なぜか観なかった。子供映画で大人も鑑賞を楽しめる少ないシリーズが名探偵コナン。ポケモンや最近のドラえもんは子供だけで観てほしい。だから、この作品は観ていたつもりだったのだが・・・

この作品には本物のサッカー選手が声優として本人役で登場していたそうだ。でも、それは無駄だと思う。完全にフィクションの名選手で、劇画的な活躍をしてくれたほうが、話の持って生き方が自由になる。棒読みのセリフは興ざめしかねないから、たとえ実在の選手を描いても、本人が読むのではなくプロの声優に任せたほうが良い。

サッカー人気を映画に持ち込もうという目論みだったのだろうが、一部のサッカー少年以外には全く効果が期待できないはず。ストーリーや場面の表現にも無理を感じた。

サッカーボールを蹴って、コナン君にボールを送ろうとするシーン。観客席の段差やガレキが邪魔して互いに近づけないから蹴って送ろうというのは当然かもしれないが、そんな場面では避難が最優先されるわけで、そもそも無傷で立っておられるのが奇跡だったので、さっさか逃げるべきだった。

確実に相手にボールを送りたい場合、よほどの技量がないと蹴ってパスしようとは最初から考えない。サッカー選手だって投げるほうが確率は上がる。蹴って連携を強調するアイディアは、子供だましの度が過ぎた演出だ。

スタジアムの屋根を構成する鉄柱をスケボーで登るシーン。それができたら、サーカス団員を上回るテクニックとなり、推理よりもスケボーで評価が高まり、直ぐにマスコミで評判になって、暗黒組織にコナン君の存在がばれてしまう。マンガであっても、守るべき現実味があると思う。

コナンシリーズの魅力は、子供映画に似合わない精巧に作られたストーリー、結論を導くに至るまでの推理のレベルの高さだったと思う。観客が納得できる推理内容でないと、なんだ子供だましの・・・という印象につながる。そうなったら、ポケモン映画でも観ようかと思われてしまう。差別化のために、本格的なプロットが必要。・・・そこまで考えても仕方ないか?・・・

この作品では、サッカー選手の想いが大きなウェイトを占めていた。

サッカー選手を目指す若者は非常に増えた。子供の憧れの職業の第一位はプロサッカー選手になっているそうだ。平均すれば、まだプロ野球のほうが収入的に安定しているようだが、世界を舞台にする選手の場合は、収入的にも相当なレベルに達している。

ただし、J2の選手クラスでは一生を賭けるには無理がある。サッカー教室、トレーナー、コーチ監督業などの副業などで家庭を支えるしかない。好きでないとやれない道。でも、市内の高校生達は海外合宿までして鍛錬している。近年はスペインのクラブが世界中から高校生を呼んで講習会をやってるらしい。

一流選手を目の当たりにしてみる経験は大きいと思う。自分の位置を知り、自分がそこを目指せるかどうか、判断する機会になるかもしれない。一段高いレベルで考える機会になる。今は良い環境になったものだ。

成功を夢見ていたが、もしどこかで故障してしまったら、その想いはどうだろうか?想像を超える重さがあると思う。

劇場主の場合は、靭帯を切って足が非常に遅くなった。さらに、視力も衰えが激しい。既に大学時代にはキャッチボールさえできなくなった。球技には厳しい身体条件。いちおうテニス部に入ったものの、ボールが見えないので集中力を保つのも難しかった。学生レベルでも一流選手ではなかったが、それでも悔しい思いをした。一流選手が故障をしたら、ヤケになるのは当然だろう。

皆、どうやって納得しているのだろう?もうちょっとで一流になれたのに・・・あるいは、一流から転落し、解雇されたが、自分でそれが当然と思ったわけではないのに・・・そんな重く、苦しい状況から、どうやって次のステップに移れるものだろうか?ヤケクソになる人だって、少なくないはずと思うが・・・

その異常な想いを強調すると、迫力の面では良い効果が期待できる。でも、子供路線を狙う場合、あんまり話が暗くなりすぎる。そのバランスが難しい。コナン君のシリーズは、そのへんを独特の表現で乗り切っているようだ。

 

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