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2016年12月19日

シリーズ・マネー・ワールド(2016) 

- NHKドキュメンタリー その一 -

資本主義の問題点、今後の展望を描いたシリーズ。専門家と爆笑問題のコンビが司会する、ドキュメンタリー的エンターテイメント番組。10月16日夜9時を第一回に放映された。

ついにNHKで、資本主義を批判する番組が堂々と作られる時代になったとは! かって共産主義勢力が活発だった頃は、資本主義に異を唱える連中は全てアカ呼ばわりし、その影響力を排除しようと躍起になったのに、CIAはNHKから手を引いたのか・・・

冗談はともかく、この番組はかなり公正に作られていた印象。資本主義に問題がないはずはないので、どのような点が酷いのかを映像やCGを使ったグラフで解説しつつ、対処は可能かも知れない事、技術によって展開が開け、また成長を回復できるという希望もちゃんと盛り込まれていた。

今日の問題点は、やはり成長の鈍化。そして貧富の格差の拡大。グローバル企業の言いなりになった制度など、それらは今日なら誰でも耳にし、体感もする懸念材料だ。そして解決に向けてカギとなるのが技術革新であることも、ほぼ誰もが期待していること。問題意識の強さは人によって違うかも知れないが、問題点に関してはほぼ意見が一致していると言えそう。

劇場主の感覚は、資本主義的だろう。どっぽり消費主義の言いなりになっている。自分自身がどう教育され、どんなライフスタイルに親しんできたのか、自分で把握することは難しいのだが、新しい商品を買い続けて質素倹約にほど遠い生活を送っているから、さぞや善き教育や強力な宣伝を受けたのだろう。

<成長の鈍化>

もっと収入が減ってきたら、劇場主だって倹約するはず。おそらく、情けない気持ちを感じながら、より安き物を買うか、もう買わないか、その時に判断すると思う。それが皆の感覚で、そうすると当然だが平均給与が下がっている現在、商売の規模は縮む傾向になる。労働者に充分な給与をあげないと、売り上げが落ちる。これは基本的な今日の問題点で、厳しいジレンマだ。

おそらく単純に考えて、金が中国や東南アジアに流れた点が、結果として欧米のジレンマにつながっている。経済成長する地域に投資が集まるのは当然で、成長が低いところに投資するアホは少ない。集まらない地域は、さらに成長が鈍化する。欧米の投資部門だけは好景気だろうが、労働集約的部門には金が入らない。生産の現場は東~東南アジアだから、当然だ。

考え方を改めるべきではないか? 十億人の国が本当に6%成長していたら、それは奇跡的な成長と言えるのではないか?世界の7分の一の住民圏がどんどん成長してるなら、それは一般的に言えば好調と思う。金が降りてこない地域がジレンマにはまっても、世界全体で見れば成長していないだろうか?

資本主義の問題と言うより、単なる投資先の移動に過ぎず、それを見て、世界経済全体の縮小と勘違いしているだけかも知れない。番組で使っていたグラフは、必ずしも信用できない。実は経済は拡がりをみせており、まだ資金回収の段階に来ていないだけで、今は鈍化した印象を受けても、それは投資の際の普通の状況とも考えられる。

<技術革新>

新規の技術に関して思うに、何か思いもよらぬブレイクスルーは突然起こるものだ。IT技術が進歩したのは、せいぜい30年くらいのことで、30年前の劇場主は変化を想像していなかった。多くのアイディアが今も生まれている。凄い技術が、IT分野には確かに起こった。革新がないわけじゃなく、分野が限られただけかも知れない。

通信や販売管理に関しては、もう想像できるシステムは出尽くしてしまったかのように感じるが、ちょっとした工夫は限りなく発生するだろう。ただ、昨今はブレイクスルーに相当するモノが出ていない気もする。昔は数百年単位でしか大発明はないものだったはずだが、数年単位に慣れてしまっている。

iPhoneやSNSは画期的な商品と言えばそうだったが、手紙やアナログ電話の比率が減っただけかも知れない。伝達の早さや画像を組み合わせる技術は素晴らしいと思うが、そもそもIT関連技術は、人類の数を直接的に増やす類の技術ではないので、その点で真に生産的、革新的ではない。

温暖化をコントロールできる技術、地下資源を損なわない発電、食物生産を増やすか効率化できる技術、地球外に簡単に移住できる技術などは、真に革新的なものとなるだろう。人類の不安を減らし、持続を可能にしうる点で、IT技術とは意味が違う。そんな肝心の技術革新が不足している。そこが心理的には、技術の停滞と感じられる理由だろうか?

だが、今後そのような技術が出てくる可能性は高い。何も策が出ないと考えるのは無理だ。短期間に次々というわけにはいかないかも知れないが、学術に限界は見えていない。革新的かつ生産的、そんな技術がきっと出てくるから、未来はそれほど暗くない。根拠は乏しいが、そのように思っている。

 

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