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2016年12月10日

マネー・モンスター(2016)

Money_monstar

- 疑心暗鬼 -

投資に関する番組コーナーが、爆弾を持つ男にジャックされた。犯人は番組のせいで自分が破産したと言う。株の暴落について、会社のCEOに詰問するつもりだったようだが・・・・

・・・・監督はジョディ・フォスターだという。そう言えば彼女が主演した「フライト・プラン」のような空気が続き、謎解き、犯人捜しが進む流れも、よく似ていた。自分の出演作を参考にしたのかも知れない。いつのまにか監督業もこなすようになって、この作品はちゃんと玄人の出来映えに感じた。

アイディアが良かったのだろう。ジム・カウフといった人達が原案を考え、専門の脚本家達がチームで仕上げたようだ。主演のジョージ・クルーニーの演技も、最近の彼の作品の中では最も役柄に合っていたように感じた。ジュリア・ロバーツは脇役に近い役どころだったが、存在感は充分だった。

カトリーナ・バルフという美しい女優さんが非常に良い役どころを演じていた。もろにモデル体型なので、一般的な役は演じにくいだろうが、こんな役には最適だ。今後はどうだろうか?演技力や、存在感はよく分からなかった。

残念だったのは、敵役。役者の問題と言うより。演出の問題ではなかったかと思う。とことん憎々しく、しぶとく、抜け目なく演じて欲しかった。犯人から上手に逃げ、主人公達を困らせる必要があり、捕まっても自分だけは生き残ろうと汚い手段をとる、逆転勝利を目指す・・・そんな描き方が欲しかった。

また、最初の段階で、およそラストの展開が読めてしまったので、もう一工夫必要だったのかも知れない。何かの逆転劇、裏切り行為、ワナなど、予想を超えるものが欲しかった。主人公の苦悩、人間性、行為の必然性などが滲み出るような設定もできたのではなかろうか?

今日の株取引は、かなり自動化されているという。高速の取り引きで、どのようなメリットがあるのかすら劇場主には理解できないが、株価の変動のパターンから、次の展開を読むためには、人間の感性だけでは不安があり、対処も遅れるし、コンピューターの解析は参考になると思う。ただし、害も多いだろう。

例えばもし中国経済が著しく衰退する危険性が出た時、噂で不安になった一部の投資家達が売りに出たら、コンピューターはどのように反応するのだろうか?売りの勢いをさらに加速させるのではないか?すると、恐慌をより深刻化させることになる。人より先に売り抜けようと、凄いスピードで売られたら、市場や政府が対応できないかも知れない。

他の会社のソフトの特徴を把握できれば、ワナにかけて損失を生じさせ、その会社の株を空売りしたりすることも可能ではなかろうか?より悪質なソフトが、他の会社のソフトを利用し、証券会社ごと倒すような事象が生じるかも知れない。

先日、NHKドキュメンタリーで「シリーズ・マネー・ワールド」を観た。今は資本主義のシステムに皆が疑問を持ち、あらたなルール、新しい技術を心待ちしている時代だ。トマ・ピケティ教授や、ハラリ教授の本を読むと、我々が勘違いしていた部分に気づく。このままではいけないのだろうと、皆も疑心暗鬼になっているはずだ。

そんな心情の中で、実際の景気後退が明らかになる何かが起こり、予想通り政府も国際機関も手詰まりと判断されたら、どうなるだろうか?リーマン・ショックの時は、予想された破綻がやってきて、過去に有効だった手段が予定通り採られ、それなりに乗り越えた。今度はどうだろうか?

 

 

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