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2016年12月22日

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013)

Insidellewyndavis

- ヤサグレ -

12月6日、衛星放送で鑑賞。個性あふれる映画で、独特の面白さがある。コーエン兄弟の作品だそうだが、どこに着眼して作品の企画を進めたのか、そこは最後まで分からなかった。

主演のオスカー・アイザックは、スターウォーズのヒーロー役をやるくらいなのに、この作品では全く正反対の情けないヤサグレ男を演じきっていて、しかも本職の歌い手としての力量を見せていて、その歌唱力とともに役柄の広さに感服した。

音楽仲間でジャスティン・ティンバーレイクが出演していたが、彼もちゃんとカントリー調の歌を歌っていて驚いた。どうみても真面目そうな田舎の歌手にしか見えない。元々彼は今のような現代風の歌い手ではなかったそうで、ちゃんとカントリーの基礎があるらしい。

キャリー・マリガンがヒロイン的な役を演じていたのだが、随分と痩せていて、彼女とは気づかなかった。猛烈なダイエットをやったのだろうか?アンニュイそうな歌い方、激しい口論の口調などが素晴らしいと思った。

失敗続きの歌手のどん底ぶりが、あまりに徹底していたのでおかしかった。車でシカゴまで仕事をゲットしようと行くのに、同乗した人間に毒舌を浴びるし、警察沙汰に巻き込まれて立ち去らざるを得ないなど、アンラッキーさがおかしい。

雪を踏みしめ、徒歩で契約のためにプロデューサーに会いに行くが、あっさり断られるなども、実に深刻な話なのだが、観客としてなら笑える。そこで主役が泣いていたりしたら笑えないが、酷い目に遭っても結構我慢できている主人公なら、安心していられるのだろうか?

この作品は実際のフォークシンガーの実話が元になっているそうだ。カントリー・ミュージックの市場が大きいアメリカでは、当時はフォーク・シンガーが多数活躍してたという。ボブ・ディランの出現の少し前だったわけで、あまたのシンガーのほとんどは、この主人公のように埋もれていったのだろう。ロックやソウル・ミュージックなどに主流が移って、職を変えたのだろうか?

歌のシーンは本物の凄さを感じる。本職の歌手を選んできたからだろう。その点は作品のレベルのために絶対に重要だった。さらに主人公の描き方も、悲惨になり過ぎないように、もの悲しいがおかしいという路線をキープして、よく出来た作品とは思う。しかし、映画祭でグランプリに選ばれるべき作品とは感じない。何か見逃した点があるのだろうか?

 

 

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