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2016年10月17日

ボーダーライン(2015)

Sicario

- 設定に甘さ -

誘拐犯を追っていた主人公は、麻薬組織のワナによって仲間を失う。マフィア撲滅グループの一員に選ばれた主人公は、メキシコ国境に赴く・・・・

・・・・DVDで鑑賞。麻薬組織と、捜査側のやりとりが非常にリアルに表現され、腹黒い連中だらけの騙し合いが面白かった。いっぽうで、やや陰惨すぎる表現も各所に見られ、子供も鑑賞できるような普通のビデオコーナーに、こんな作品を置いておくのはよろしくないとも感じた。これは、大人専用だと思う。

恋人と観るのも良くない。気味悪いゾンビ映画よりも、もっと気味の悪いリアルな惨殺死体が繰り返し出てくるので、恋の邪魔になりそうに思う。・・・一般的な感覚ではそうだ。ゾンビが趣味の人なら分からないけど。

ベニチオ・デル・トロが良い味を出していた。あらためて思うのは、こんな役柄を最近のブラッド・ピットがよく演じたがっているが、目つきが悪いデル・トロ君のほうが圧倒的にワルの雰囲気が出ており、キャラクター的にピット君は無理だと思う。ピット君はプロデューサー業に徹し、タフガイを演じるのは止めて欲しい。

ジョシュ・ブローリンも、悪役に近い役柄を演じており、この映画の雰囲気作りに役立っていた。ひょっとすると、もっと笑顔が似合う役者のほうが良かったかも知れない。ヤンキーのワルは、やたら明るく、調子が良いのに極悪というイメージがある。だから、少し大人し過ぎたかも知れない。もっとジョークを飛ばして良かったのでは?

ヒロイン役のエミリー・ブラントは、戦士の役柄には体型的に合っていない。もっと好戦的な顔をした体格の良い女優のほうが役に向いていたのではないだろうか?セリフにも問題があったかも知れない。自分が作戦になぜ選ばれたのか疑問に思う前は、仲間の復讐に熱心のあまり、積極的に参加してしまい、やがて後悔・・・そこらが分かりやすいガッツのありそうな女優が欲しかった。

麻薬をめぐる犯罪組織と各国の捜査機関の関係は、映画ほど複雑ではないように思うのだが、部分的には現実を反映した面があっても不思議ではないように思う。映画のように一人のスーパーマンが敵の首領を退治するような話はなく、実際には大勢で押し入って虐殺するスタイルが主流のはずだが。

政府機関がメデジンカルテルのような犯罪組織を支援することは考えにくい。複数の組織が乱立すると収拾が付かない点は確かだが、巨大組織ひとつだけにしたほうが管理しやすいといった理屈は、普通なら受け入れにくいだろう。おそらく、片端から逮捕を続ける方針が、今も続いているのでは?

また、映画のようにトンネルに押し入っても、銃撃戦が起こるだけで、敵の首領につながるルートまで把握できるとは思えない。映画でも偶然に取り引き場所に重要人物がいただけで、組織の上層部につながるルートは、全く別個に発見するしかなかったように感じた。設定に甘さがあったかも知れない。

マフィアが、原罪の警察や政府機関にどの程度の影響力を持っているかは気になる。おそらく、マネーロンダリングした金を使って、正規のルートで資金を使い、政治家や企業に影響力を持っているだろう。献金や投資の形で、金を使っていないはずがない。ワイロも広範囲に渡され、それが脅しの材料にもなっているだろう。

だから根本的な対策としては、おそらくマネーロンダリングができないように、タックスヘイブンを管理することが最も優先されるように思う。いかに捜査機関が頑張っても、資金があれば敵は対抗できるように思う。

 

 

 

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