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2016年9月14日

訴訟(1991)

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- 計算屋 -

ジーン・ハックマン主演の法廷劇。DVDで鑑賞。娘役で懐かしいエリザベス・マストラントニオが出演しており、両者は法廷で争う間柄になっていた。

良いテーマだったと思う。原作小説があったのかは知らないが、脚本が良かったのは間違いない。モデルとなった実際の事件はあったらしい。その法廷の記録を見れば、そのまま映画に使える記述もあっただろう。ただ「訴訟」というタイトルは、劇場主は感心できなかった。もちろん訴訟がメインの映画だが、結局は意味不明に近いタイトルではないか?

この作品は法廷の部分より、娘と父親が相対する家族のシーンが長い。そこが大事だった。法廷劇だけじゃあ、ただ駆け引きを描く底の浅い作品になってしまう。できれば、人間関係に比重を持たせたい。正義感の主人公も完全な人間じゃない。それが成功していたと思う。

でも、そこが理由で退屈に感じる人も、おそらくは増えてしまう結果になったのではないか?勝つか破滅するかという緊迫感には乏しい。ドラマ部門に感心が薄い観客は、ワクワクするような鮮やかな逆転劇がない、つまらない作品、静か過ぎる映画と評するかも知れない。大声で怒鳴り合ったほうが法廷劇らしい。

したがって、これは基本として子供向きの映画ではない。家族で楽しむべく、DVD鑑賞を始めると、子供は何か別なことを始めようかなと、そわそわし出すだろう。ゲームのほうが面白いモンとなる。

弁護士が知りえた情報を、敵側の弁護団にもらし、それで審議で不利な立場になったとすると、法的な問題があると思う。弁護士という立場によって得た秘密は、漏らしたら法律に違反すると思う。今回の娘弁護士は、犯罪行為をはたらいたことになるのでは?

ただし、訴えようがないなら良い。訴えられても証拠がないならなんとかなるかも知れない。情報を漏らしたという証拠・・・・少なくとも物証はないだろう。それなら、敵側も訴訟を諦めるかも。復讐のために訴訟を起こされる可能性はあるが、巨額の賠償金を得られるかどうか、その金額とリスクを計算しないといけないことになる。

訴訟にかかる費用と、回収整備にかかる費用を比べ、あえて訴訟を選ぶという選択は、子供の頃に聞いたことがある。この種の製品の場合は、その計算は昔からやられていたのだろう。それが面に出たのが、作品に使われた自動車の不良箇所のケースで、 実話が題材になったと言える。

今はどうか知らないが、ひところの運送業界にもそれに近い理屈を聞くことがあった。事故を起こしてどこかの家に突っ込んでも、何も保障しない。訴訟になる場合の費用と、賠償額などを計算して、訴えたきゃ訴えろという態度で被害者の泣き寝入りを狙う、そんな対処が実際にあった。計算屋のやることは怖ろしい。賠償額が大きいと、さすがに会社はあんなことはできないはず。額を小さくしすぎた裁判所の判断ミスが原因だろう。

三菱自動車が最近も燃費の偽装で騒がれた。あれはどういう計算だったのだろうか?実際に試験する手間、新たに燃費を向上させる研究開発費、売り上げの向上による利益、それらを計算し、併せて自分の出世への影響を考えると、偽装した方が良い場合もありうる。

たまたま日産と提携していたために、バレたのは予想外だったかも知れない。つまり計算が外れたということ。あるいは、日産に吸収されないと立ちゆかないから、いっそのこと暴露してもらう・・・無茶な執行部に腹を立てて、思い切り偽装して自爆する・・・・そんな怖ろしい計画を誰かが考えていたら、それも一つの計算だろう。

 

 

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