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2016年8月27日

ハンター(1980)

Paramount

- 敵役は役不足 -

犯罪者の捜索を生業とする賞金稼ぎの男。恋人が懐妊し、安定した生活を目指す必要が生じた。しかし、彼を恨む異常者に、恋人が誘拐されてしまう・・・・

・・・・7月26日、衛星放送で鑑賞。この作品は過去にもどこかの洋画劇場で放送されて観た記憶がある。わりと最近のはずだ。マックウィーンの遺作となったことで有名だから、固定的な需要があるのだろう。

この主人公の人物像が良かった。運転している車の古さ、運転の下手っぷりが笑える。平気で他人の車にぶつける神経もおかしい。ただし、マックウィーンは体力的なタフガイではないので、ぶつけてた後にそのまま去っていけば、誰かに引き回されるはず。つかまれても銃で黙らせるといった姿のほうが、理解はしやすかったかも。

自宅には妙なギャンブラー仲間がたむろしており、恋人と多数のギャンブラー、そして拾ってきた黒人青年が仲良く生活しているような状態で、にぎやかと言えばそうだが、すさんだと言えばそうとも言える。おそらく、主人公もかってはギャンブラー生活をやっていたんだろうと想像できる。

その主人公が、恋人の妊娠によって真面目な生活に踏み出そうかという直前の状態を、ユーモアたっぷり上手く描けていた。ラスト近くの会話で初めて、主人公が出産に反対していたことが明かされるが、それまでは出産を楽しみにしているように見える。恋人への気遣いがよく分かる。ドラマ部分の演出が丁寧だった。

家の中の部分は温かい雰囲気に満ちている。逮捕されていく犯罪者達の多くも、凶悪ではあっても愉快な連中が多い。追っている主人公よりずっと体力があって、哀れな主人公が張り倒されながら逮捕する様子がおかしい。面白いアクションシーンだった。

でも心からハラハラするアクションはなかった。列車のパンタグラフみたいな部分につかまって外に投げ出させるシーンがあったものの、その間に銃を持った逃亡者から撃たれてないなんて、少々マヌケ過ぎる。簡単に撃ち殺されるはずだ。あのシーンは、最初から考えないほうが良かった。

変質者が最後のほうで暴れていたが、彼はちょっと迫力が足りなかった。彼のキャラクターの描き方が難しかったと思う。もっと怖ろしい人物に描くと、せっかくのユーモア部分がかすんで、グロテスクな方向に話が移行してしまいかねない。スリルは増すが、後味が悪くなってしまう危険性がある。

彼がもっとオトボケの性格だったら、今度はラストのスリルは損なわれる。したがって、適度に異常者を表現しつつ、過剰な恐怖感は出さず、できれば変質者の個性が滲み出る演出・・・・そんな難しい路線を探らないといけない。劇場主は、この作品では変質者による誘拐劇が必要だったか分からなかった。犯罪者達は皆がおかしい人物で、ユーモアに路線を絞り、家庭ドラマ中心でも良かったのでは?

恋人役は非常に美しい女優さんだが、この作品以外では知らない。舞台女優なんだろうか?この恋人の両親が登場し、主人公に結婚を迫る恐怖の存在になっていたら、ドラマ的にはもっとおかしくなっていたかも知れない。両親でなくとも、同僚か家主など、主人公が頭の上がらない人物なら、困った主人公の顔で笑えたろう。

 

 

 

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