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2016年8月 3日

ヤコペッティの大残酷(1975)

Mondocandido


- モンドセレクションではない -

楽園のような生活から追い出された青年カンディドが、恋人を追って世界を旅し、残酷な運命を体験する物語。DVDで鑑賞。

この作品の名前だけは知っていた。グロテスクさ、奇妙さをウリにしたドキュメンタリータッチの一ジャンルをモンド映画というそうだが、この作品もカンディド青年の物語をモンド映画で描いたら・・・という意味らしい。

確かに残酷な処刑シーン、無茶な拷問シーンなど、センスが良いとは言えない場面が多く、ロマンの薄い日活ロマン映画とでも言えるかのような、エログロ路線だった。

いっぽうで、花畑の中でイスラエルの女性兵士とアラブの兵士が互いに殺される場面は、ビジュアル的にも美しく幻想的なシーンなっており、美的センスを感じさせる。エログロシーンも美的シーンも、やたら強調してドギツク描くのが、モンド映画の特徴なんだろう。

まさか本当にイスラエルに行って撮影したようには思えないので、あのシーンはイタリアのどこかの風景だと思う。カッパドキアあたりの風景は本物のようだったから、かなりのロケはやったはずだが・・・・

パムッカレの石灰の棚の中を、主人公が堂々と歩いていたが、あれは今日では許されない行為のはずだ。当時は規制が緩かったのか?こんな映画のために、大事な遺跡を危険にさらすとは・・・

今日では、劇場でこんな作品はまず見かけないように思うが、ビデオコーナーの端っこの下の方に、決まってどぎついSF~あるいは戦争物作品が置いてある。ジャングルで現地人に食われるといった内容も繰り返し作られている。

ほとんどは表紙部分の絵で明らかに二級品と思えるため、なかなか借りる勇気がないのだが、あれは似たような路線ではないかと、想像だが思う。伝統は、きっと受け継がれている。

ヒロインは非常に美しい女優さんだったが、その後のキャリアが不明なので、おそらくポルノ女優ではないだろうか?主人公も、明らかに演技が得意な人ではなかったようだ。俳優で売るタイプの作品ではないということだろう。

営業を考えると、滅多に見られないような残虐なシーンで話題性を高めることは間違っていない。女優達が次々とフルヌードになっていくだけで、ある程度の観客数を期待できる。これも大事なこと。

珍しい光景の中でロケすることで、マイナーな子供映画とは一線を画すこともできるので、それも作品の価値を高める。そして過去の文芸作品から題材を採る、今日的な問題点である中東の紛争の惨さを描けば、真面目な主題を持つと強調することも可能。

したがって、この作品は営業努力を積んだ結果の産物と思える。真の狙いは、おそらく集客、金だけだったのではないかという雰囲気がプンプンする作品。

 

 

 

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