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2016年7月31日

ミケランジェロ・プロジェクト(2014)

Columbia

- 狙いは・・・ -

第二次大戦中、ナチスが強奪した美術品を保護し、持ち主に返す作戦があった。作戦に参加した隊員の物語。実話が元になっているそうだ。DVDで鑑賞。

この作品の狙いがよく分からなかった。大ヒットを期待して制作したのだろうか?もし大ヒットを予想するなら、何か圧倒的な魅力が必要と思う。魅力的な主人公のキャラクターか、あるいは涙を誘う大悲劇か、圧倒的なスターの魅力か、画期的な映像か。確かにスターは出ていたが、役割としては魅力的だったかどうか?

盛り上げる手法に問題があったように思う。仲間が殺され、彼が命を賭けて守ろうとしたマリア像の行方が重要になる話は良かったので、そこをもっと協調するほうが良かったと思う。映画の冒頭からマリア像を写し、セリフでも繰り返し像の重要性を訴え、仲間が殺される時は実に無残に表現したほうが良かった。演出が上手かったと思えない。

この作品は娯楽作品としての方向性は間違っていなかったように感じる。盛り上げのために、過剰な悲劇、残忍さを強調しておらず、子供でも鑑賞できそうな表現に徹していたから。適度にユーモラスな場面もある。退屈な作品とは感じない。ただ、ウリになる魅力も不足しているように思う。

「オーシャンズ・イレブン」の場合は、特殊な能力の仲間達が、各々の力を生かして作戦を成功させる話が元になっていた。ジョージ・クルーニーの狙いは、それと同じ路線だったのではないか?でも、この作品では各自の能力が生きていないように感じる。それでは話として面白みがない。

面白みを出すための手のひとつは、好敵手を作ること。この作品には、美術品を集めてドイツ本国に送った将校がいたから、彼が憎らしい敵となると良かった。でも、比較的あっさりと見つかってしまい、盛り上げようがなかったと思う。仲間を殺した将校も、手強い逃げ方はしていなかった。

そもそも、こんな作戦が考えられた理由は、おそらく米国のユダヤ人達からの依頼が一因ではないかと想像する。米国に逃れていた欧州出身者達は、本国に残した美術品をナチスに奪われ、奪還して欲しいと強く願っていたはず。直接政府に働きかけていたのではないか?

学者が中心になって運動が起こったようなストーリーだったが、本当かどうかは分からない。支援した人達のほうが中心で、画面では隠れていただけでは?

なんとなく感じるのだが、昨今では第二次大戦を舞台にした映画は、流行らない傾向があるようだ。若者の興味を引く時代ではなくなっているからかも知れない。戦後の体制・・・米国中心の勝者から、欧州で大きく力を回復したドイツ、経済力が増した中国、徐々に発展しつつある南~東南アジアなど、パワーが移動しつつあるからかも知れない。

要するに飽きて、興味が薄れてしまったのか?米国がドイツを懲らしめても、だから今更どうした?それよりイギリスとEUの関係や難民問題のほうが大事だよ、といった雰囲気かも。 

 

 

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