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2016年6月 7日

マーシュランド(2014)

Atipicaetc

- 停滞感 -

スペインのある川の河口近くの湿地帯で、連続殺人事件が起こる。派遣された二人の刑事が事件を担当するが、犯罪組織、村独特の状況などが絡んで、捜査は難航する・・・

・・・フランコ時代の名残りがあることが作品の時代設定となっていて、そこが作品の重みにつながっている。日本でも似たような状況はあったはずだが、そういった陰湿な感情、恨みを上手く表現できた作品を知らない。

最初のシーンが素晴らしい。幾何学模様かな?と思って見ていたら、鳥が動いている・・・・湿地帯を上空から写していたのだった!芸術的なセンスを感じる映像。誰か、この風景を上空から見て、魅力を知っていたのだろう。

Marsh は湿地帯の意味らしい。広大な平原や、水路、砂地が舞台となっていて、いかにも事件が起こりそうな、さびれた雰囲気が映画向きだった。犯罪を描く作品の場合、時代と場所の設定が大事だということを、改めて感じた。

この作品は映像美において非常に優れていると思う。でも、やはり子供に見せたい作品ではない。死体もリアル過ぎる印象。子供の夢見が悪くなるかも。暗くてグロテスクな内容でもあり、恋人と鑑賞する対象とも思えない。

フランコが亡くなったニュースは覚えている。大戦を生き延びた希有の存在だった。70年代は、まだスペインは右翼勢力が有力で、おそらく地主勢力がフランコ政権を支持していたからではないかと思うが、古い社会秩序が社会を停滞させた状況だったのではと思う。

その閉塞感、市民の貧しさが、この作品では切実に感じられた。若者は村から出ることしか考えられない。その願いが犯罪者につけいられる、そんな仕組みが分りやすかった。その流れは、万国共通のものかも知れない。

停滞感が気になる。この作品では、田舎村の停滞感も大事な要素だった。

Dsc_040920


上の写真、よくもこれだけ徹底的に壊れたねと、呆れる。熊本地震は余震が非常に多く、いつ終わるのかさっぱり分からない。時々地下から妙な衝撃音が聞こえてくるので、下は凄く動いているのだろう。熊本市は今、GPS情報では東方向に移動中らしいのだが、なぜそう動くのか皆目分らない。治まる時期が分らないと、復旧作業の段取りも組みにくい。

復旧が遅れると、住民は出て行くしかない。飲食業や観光業は、道路が完備され、時間的にも余裕がないと客足が戻らない。客がいないと、営業は厳しい。家があって年金で生活できる人を除けば、再度ローンを組んで家を持ち、仕事や育児をこなすかと考えてみれば、被災地に残る選択をするのは無理をともなう。

現在抱えているローン、今後の地震への不安、収入を確保できるかどうか、そういった様々な要素は、気分的な停滞感を生みやすいと思う。国からの補助もかなりあるようだが、費用が全額出るわけではない。ハンデを背負うことは間違いないから、気分的に明るくはなれそうにない。停滞感は必ず生じる。

益城町や南阿蘇地域に、また家を建てようと考えられるだろうか?まず、そこが気になる。断層はそのままあるわけだし、今後もっと凄い地震が来る可能性があることは明白。他に建てる場所が絶対にない、頑なに残る・・・そんな人はどれだけいるだろう。

停滞感を打破するためには、政府の援助、税制面の優遇、そして時間と事業の誘致が決め手になるだろう。建設関係の業界がまず潤うはずだが、そこから金がどう回り、一般の商売へと波及していくか分からないが、流れが滞らないように祈る。

 

 

 

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