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2016年6月22日

ペーパームーン(1973)

Paramount


- 今日的か? -

詐欺的手法で聖書を売る男が、少女と旅する話。少女は男の娘かも知れない。ふたりで協力して金儲けに成功したかに思えたが・・・・

・・・・味のあるロードムービー。モノクロ作品で、わざわざ時代を感じさせるように演出していた。キャスティングは、娘役のテイタム・オニールが先に決まったと聞いたが、本当だろうか?当時は天才子役現ると、大変な評判になったことを記憶しているが、親子セットで選んだのではなかったのか?

仮に、既に知っている有名な子役がこの少女役を演じていたら、どんな印象だったろうか?もしかすると作品の斬新さは損なわれ、いかにも芝居のための芝居だなあという印象が強まったかも知れない。新人のほうが先入観がないから良い。

後年の話だが、テイタム・オニールがマッケンローと結婚したので、えらく驚いた。業界が違うから、ふたりが結びつきそうだと事前に考えたりはしなかった。ブルック・シールズも確かアガシと結婚したから、当時のアメリカのテニスプレイヤーは、女優達との交流が盛んだったのだろうか?

少女が堂々とタバコをすう仕草がおかしい。小さい頃から、こんな役柄を演じることがテイタム自身の精神に良かったのかは分らない。彼女も薬物中毒になったらしいので、やはり業界に入ることは、情緒面に良くない影響もあるのでは?女優に憧れている子であっても、業界に入るのは勧められるものではない。やむをえない事情がない限り、業界は避けるべきと考える。

男役のライアン・オニールは適役だとは思えなかった。詐欺師という雰囲気が漂うとは思えない。上手く演じていたとは思うのだが、いるだけで怪しそうなほどのリアリティはない。たぶん、他に適役がいたのではないかと思う。実の親子が演じていることを宣伝したら、きっと観客の笑いが生まれる・・・・そんな理由がなかったら、彼はキャスティングされなかったはず。

話の中では二人が実の親子なのかは曖昧にしているものの、男が親子関係を否定するシーンを、実際の親子が演じているからおかしい。「あんたたち親子じゃない?」と言って、懸命な表情で否定するだけでも笑える。そのうえで、互いにだまし合い、金を独り占めしようとしたり、協力して売り上げを伸ばしたり、警察から逃れようとしたり、二人の関係が二転三転するのも絶妙な流れだった。

ラスト近くで、二人の間にどんな感情が生まれているか、自然に理解できる仕組みが素晴らしかった。ただし、この流れはロードムービー一般にあるもので、この作品だけが特別に何かを編み出したとは思えない。プロットや配役が適切に選ばれ、基本に忠実だったに過ぎない。

したがって、ひょっとしてだが、今日の若い方には、この作品は受けない可能性があると思う。古典的すぎる、古めかしい、そんな印象が全面に出てしまい、良い点を覆い隠してしまうかも知れない。今の時代は、もっと派手な戦いがないと退屈に感じられてしまう傾向があると思う。

 

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