映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« 熊本地震で考えたこと②(2016) | トップページ | 熊本地震で考えたこと③(2016) »

2016年5月20日

ビリギャル(2015)

Seisakuiinnkai

- やはりドラマティック -

女子校で呑気にグータラ生活を送っていたヒロインが、一念発起、現役での大学合格を目指す物語。実話を元に書籍から映画化された作品。

・・・・DVDで鑑賞。監督は土井裕泰という方で、教師役を伊藤淳史が演じ、ヒロインは有村架純という知らない女優だった。書籍のほうの表紙の不良っぽい女性とは別人らしく、映画のヒロインは、より可愛らしさにふったようだった。

有村嬢の演技には満足できた。適度にかわいらしく、極端に色っぽいわけではなく、際だって整った美形でもない、普通に近いが美人、ただし絶世の美女ではないといえる身近な印象が、この役には最適だったと思う。演技も自然だった。この役の場合は、名優のような大仰な演技は必要なく、自然さが第一だった。

この作品は家族での鑑賞に向くと思う。真剣に努力するヒロインの姿は、何ごとにせよ懸命にうちこむことの意味を感覚として感じさせるように思う。不満を言うばかりでダラダラしてては何も解決しない・・・そんなことを改めて思った。

大学受験は究極の目標ではない。実際、この作品のモデルとなった女性は、その後はごく普通の道をたどり、家庭に入ったらしい。その後、大きな事業を成し遂げたわけではない。普通の生活に至るのにも、ドラマはあるものだ。ドラマはあっても、高尚な哲学に導かれるような物語ではない。

慶応大学にも色々な学部があり、彼女はハイソな世界に通じる教室とは違った学部に合格したに過ぎないのかも知れない。慶応はブランドだが、医学部の業績は意外にパッとしない。地方大学のほうが、より成果を出しているように感じる。優秀な学生を普通の医者にしているだけではと、少し疑いを持って見ている。

受験制度、教育制度、社会全体のシステムが、際立つ才能を育てる方向に向いていないせいかも知れない。それでは、やがて競争に負けてしまう運命にある。

受験は誰にとっても大きな関門で、いろいろな物語がそれぞれに展開されるものだと思う。劇場主は完全に違う世界に行ってしまって、日本や世界の将来に興味が傾き、勉強しないまま受験に臨んでしまうという情けない物語になったが、大きな自信をつかんだり、悲劇的な物語となったり、それらが様々、いたるところで起きているはず。

映画にはなかなかなりにくい物語ではあるものの、極端な成功の場合は、題材となりうる。このヒロインの場合以外でも、本屋に行けば様々な例が取り上げられている。キャバクラ店主の息子が東大に入った、ヤンキーが教師になったなども、その一連のシリーズと言えるだろう。

でも名門大学に進んだ彼らが、大事業を成し遂げるとは限らない。国家の将来を心配する身としては、際だった才能を次々と生み出すよう、各大学には努力して欲しいのだが、そんな望みにこだわるような愛国者は、受験に失敗してしまう。劇場主のように。

受験においては、やはり合格に向けて集中すべきだ。大事なことは、また他の機会に考えれば良い。

 

 

« 熊本地震で考えたこと②(2016) | トップページ | 熊本地震で考えたこと③(2016) »