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2016年4月26日

クーデター(2015)

Weinsteinetc

- 敵が不十分 -   

東南アジアの某国に仕事でやってきた家族。しかし、その国では政権が崩壊し、外国人を敵視する住民が彼らを殺しにやってくる。必死で逃げようとする家族だったが・・・

・・・DVDで鑑賞。映画館で上映されそうな気がしない小品だったが、迫力は充分あって、出来映えは良いと思った。大スターとは言えなくなったかも知れないが、有名俳優が大事な役を演じており、撮影技術的にも優れていたように思った。

場所が東南アジアだったのは、今日の状況では良い選択とは思えない。東南アジアの国の中で、外人を敵視して政変が起こりそうな切迫した状況の国はない。国内の勢力が拮抗してもめているタイだって、激しい殺し合いというより、政治的な競合が激しいだけだ。

今の時代の紛争は、中近東から東南方面のヨーロッパが切実だろう。難民や、ISを初めとするテロリスト集団との戦いが果てしないように続いている。政変は次々起こったし、今後も様々起こりそう。舞台がイスラム圏の王国でも良くなかったか?あまりにリアル過ぎて、娯楽になりにくいと判断したのか?

家族を助ける役のピアース・ブロスナンが、良いセリフを言ってた。投資して支配した欧米に対し、従属を拒む住民の行動は正しいんだよ・・・・まあその通りだろうが、今日の世界は、資本主義によって成り立っており、戦後の秩序はそうなっているので、住民の行動は秩序違反でもある。

秩序を拒むと、中国だって怒るだろう。でも、日本に対してそう言いつつ、新たな秩序を目指したりするところが凄いが。

端的すぎる言い方で、本物のエージェントなら他の言い方をしそうなセリフの内容だったが、映画の場合は端的に言ったほうが分りやすさの面では正しい。もし可能なら彼を悪役にして、営利目的で住民を平気で殺していく様子が表現されたほうが良かったかも。悪役俳優をキャスティングしてだが。

主演のオーウェン・ウィルソンの存在は、「エネミー・ライン」で初めて知った。喜劇のほうが出演作に多い印象もあるが、アクション映画もなぜかリアルな雰囲気が出てくる不思議な俳優だと思う。風貌のせいだろうか?わざとらしく見えにくい。

この役を仮にトム・クルーズが演じたら、おそらくヒットはするだろうが、彼独特の派手な表情により、演技過剰になってしまいそうな気がする。レオナルド・ディカプリオが演じても、怒っているのか怖がっているのか、曖昧な印象でおかしくなるかも知れない。オーウェン君が適役だったと思う。

強烈な悪役が欲しかった。現地人の、何かよく分らない隊長みたいなヤツでは役不足。ブロスナンが演じた人間が、徐々に本当の怖い顔を見せるほうが良かったと思う。

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