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2016年4月18日

ナイトクローラー(2014)

Boldetc

- 主人公像が決め手 -

事件を録画取材し、テレビ局に売り込む商売を始めた主人公。ライバル達と競争しながら、特ダネを得ようとするが・・・・

・・・・DVDで鑑賞。素性の怪しい主人公が、本物のフクロウのような目つきで夜の町を徘徊する様が、実に気味の悪いものだった。一種の犯罪映画で、ハードボイルド路線の作品。その路線が成功していると思う。

グロテスクな死体が登場するので、小さな子供の鑑賞には向かない作品。恋人と楽しむには、ちょっと気味が悪すぎるかもしれない。基本は一人で鑑賞するタイプの映画ではないかと思う。でも、同性の友人といっしょの鑑賞会といった状況なら、かなり盛り上がるかもしれない。明らかに質の高い企画だから。

世の中には得体の知らない仕事を生業としている人間がたくさんいる。公務員か大工、農家、商店主くらいしか頭になかった劇場主には、とうてい理解できない仕事が多く、しかもちゃんと成り立っている。

テレビ局に画像を売る商売は、確かに考えられる。今日だとスマホの画像を無償で送る人が多いと思うが、テレビでの鑑賞に堪えうる画質を得ようと思えば、本物のビデオのほうが良いのは間違いない。でも、事故現場に急行できるためには、グループで動かないと難しいだろう。

アメリカの大都市なら、商売になるかも知れない。実際に複数のモデルがいるのかも知れない。局のスタッフではない、独立した会社が。その実像がどうかはともかく、この作品の主人公は実在感が充分に感じられた。

演じていたジェイク・ギレンホールは、以前の作品の風貌とは随分変わっていた。激しいダイエットをしたらしい。目つきが完全に異常人のものになっていた。アカデミー賞に相当するような迫力だった。彼の存在感が、作品のレベルに直結していたようだ。

物語としては、買う側に取り入るところから、やがて脅迫する側に転じていく様子が面白かった。実際には、テレビ局側には仲間がいて、独立したカメラマンを町から完全に排除するくらいは簡単にできると思う。業界には何かのルールができるのが普通だ。だから、この作品の流れには少々無理を感じた。

キャスターが複数いて、互いに激しい競争をしていて主人公を抱き込もうとするなら話は分りやすい。観客もより納得しやすかったかもしれない。

殺人現場、犯人逮捕の現場はスリルたっぷりで、それがそのまま作品の緊迫感につながるはず・・・この企画ではおそらく誰もがそこを予想していたに違いない。その狙い通り、この作品には緊迫感があった。

あちらの映画界には、素晴らしいアイディアを企画化し、資金を集めて作品に結びつけるシステムがある。アイディアは万国どこでも生まれるはずだが、企画力や資金の集め方、宣伝や制作全般に関するシステマティックな力には感服する。どこの国でもできるものではないと思う。

 

 

 

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