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2016年4月15日

鷲は舞い降りた(1977)

Columbia

- 敵に敬意を -

チャーチルを誘拐せよという命令が下り、実行部隊長に、シュタイナー元大佐が選ばれる。IRAの協力者達とともに現地に降り立った部隊の作戦は成功しそうだったが・・・・

・・・・衛星放送で4月3日、鑑賞。タイトルは聞いて知っていたが、観るのは初めて。戦争映画なんだが、敵側の人間のほうが主役で、登場人物達の個性が丁寧に描かれ、敵の兵士に敬意さえ感じさせるほどの表現で、その点で面白かった。

戦後の作品なんだから、戦意高揚を目的とする必要はもちろんない。面白いことが大事。だから架空の作戦を考え、そこに挑む人々の個性や、起こる悲劇がいかに上手く描かれるかが大きな要素になる。そこを狙った企画だったようだ。

この映画には原作があるそうで、おそらく小説の場合は人物の表現がより詳細にできるから、より感情移入しやすいだろうと考えられる。敵側だった人物に対しても、その精神力や企画力に対し、尊敬の念を持つことが可能だったろう。映像の場合は、表現方法を端的にやらないといけないが、そこが難しい点。

主人公はシュタイナー元大佐だろう。計画を立てるラードルではない。だから、いかに主役を盛り立てるかが重要。登場場面の時間配分に、やや問題があったかも知れない。シュタイナーが活躍する時間が短めなように感じた。今なら事前に統計学的研究に基づき、観客が納得する時間配分を入念に計算してから編集するのでは?

古めかしい作品ではあった。基本に人道主義の観点があり、敵側の兵士でも味方でも、無条件で女子を救おうとする点は共通している。それが失敗の元になるとしても、仕方ないと考える・・・今のテロリストとは全く違った感覚。古き良き時代の物語なのであろう。

その感覚は、もしかすると現在の若者には受け入れられないものかも知れない。良い話であっても、あまりに理想主義に満ちた空想、世の中そんなに甘くないよなあ・・・と、子供でさえ思うかも知れない。まさに世も末の時代が現代なのだから。でも、恋人と観る作品としては、ロマンティックなほうが良い。

マイケル・ケインが気取った軍人を演じていた。彼らドイツの兵士達がドイツ語で話していたら、もっとリアルになったかも知れない。ドイツの俳優が演じてもらえたら、何か雰囲気も変わっていたのでは?

ドナルド・サザーランドが演じた人物は魅力的だった。詩人のような感性を持ち、格闘技術に優れ、女性を惹き付ける・・・まるで007である。基本はアイルランドのために行動しているのであって、ナチスのための行動ではない点も理解を得やすい。

 

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