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2016年3月 4日

しあわせはどこにある(2014)

Relativityetc

- 再発見したいが・・・ -

精神科医の主人公が、幸福について疑問を持ち旅行に出て、様々な体験をする話。主演は最近の超売れっ子であるサイモン・ペッグ。DVDで鑑賞。

古典的な人生再発見のストーリー展開。昔から様々な映画が作られ、ほのぼのしたり笑ったり、感涙を呼ぶ作品も多かった。それかでの自分に疑問を感じて旅に出る、そして誰かと出会って恋に落ちたり、危険な目に遭ったりして新しい考え方に目覚めるのがパターン。

この作品も妙な映画ではなく、もちろんゾンビなども登場せず、いたって真面な路線の作品だったことに好感を持つ。画期的な展開は、この種の作品では望ましくないように思う。ただし、そのために子供に受けるような爆笑喜劇にはなれていない。家族で楽しめる作品とは言えないように感じる。

主人公を演じていたのがサイモン・ペッグだったのは、最近の彼の人気のせいだろうけど、本来の彼のキャラクターから考えると、少し路線が違っていたかも知れない。ごく普通の人物よりも、オタク的な人間を演じることが多かった彼だが、そろそろ路線の変更を考えているのかも知れない。

今回の主人公のようなキャラクターに向くのは、おそらく人好きのする顔、体型の持ち主だろう。「ビッグ・フィッシュ」のユアン・マクレガーや、「ライフ」のベン・スティラーなどは、比較的小柄でマッチョ俳優の対極にある個性が役柄に合っていた。でも、さすがにベン・スティラーがこのような役ばっかりを演じたら、飽きが来そうにも思う。こんな役は時々やるから、意表を突いて面白いのだ。

意表を突くと言えば、ヒロインのロザムンド・パイク嬢も、同年の「ゴーン・ガール」とは全く違った役柄であった。おそらく、元々のキャラクターが今回のほうで、「ゴーン・ガール」側が意表を突いたのだと思う。少しひょうきんな顔をする正統派美人という路線。

この作品で感心したのは、主人公が持つ手帳に記入され、日記のように語られる文章のさりげなさ。そして、その表現法。おそらく原作の小説に、そんな記述があるのだろう。その雰囲気や内容を、そのまま映像にして表現できているのではと想像する。ウィットに富んだ内容と、現実に起こるかなり過激な体験とのギャップがおかしい。

欧州は豊かな人達が多いので、夏休みのバカンスなどで長期間旅行している人も多いようだ。お正月に出会った方は、日本を中心に三ヶ月旅行すると言っていたが、よほどな金持ちでないと生活費が持つはずがない。気分転換と言うよりも、一年の数分の一も休むようでは、それが生活になってしまっている印象。豊かさの伝統があるのだろう。

収奪された側のアジア、アフリカの人達は、旅の余裕は今まではなかったので、今回の主人公のような存在は夢のまた夢だったはず。昨今は東南アジアの富裕層が欧米人化しているようだが、まだまだ少数派と思う。劇場主も旅行できない。死にそうな人が常にいるから、人生再発見は難しそうだ。

 

 

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