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2016年3月 7日

月の輝く夜に(1987)

Mgm

- ロマンティック -

イタリア系の後家さん娘がプロポーズされた。彼女は夫となる男の弟を訪ねるが、弟のほうに恋してしまう。その騒動を描いた作品。

DVDで鑑賞。ロマンティックな雰囲気が特徴の喜劇。でもドタバタ劇ではなく、比較的大人しい雰囲気。したがって爆笑シーンはない。シリアスな状況をニヤニヤしながら笑うタイプの映画。そのため子供には向かないが、大人には時代に関係なく受けそうな作品。

恋人といっしょに観るのも悪くないと思うのだが、この点は個人の信条によって違ってくるかも知れない。イスラムやカトリックの人達には怒鳴られてしまいそうなストーリーかも知れない。そこが面白いと感じる人も多いだろうけど。

不道徳な内容とも言えるが、ロマンティックな話ではある。美男美女のロマンスも結構だが、肉欲全開のロマンスも面白い。道徳とロマンスに関しては、時に微妙な線が生じる。その微妙さが、この作品の良いところと思う。でも、その関係で嫌悪される作品にもなりるだろう。

月が良い材料になっていて、一種の魔法のきっかけが月にあるという設定が良かった。そこもロマンティックな雰囲気に役立つから。

オペラの劇場の映像が何度か出てきたが、実に豪華で優雅な雰囲気が感じられた。アメリカでは、やはり歴史と総合的な豊かさが違うので、大金持ちでなくともオペラ劇場で楽しむ機会があるのかも知れない。でも、せっかくなら全編がオペラ仕立て、BGMもストーリーもオペラに合わせると良かったかも知れない。

オペラの演目は、たしか「ラ・ボエーム」だったようだが、ストーリーとはあんまり関係していない。もったいなかった。

ヒロインのシェールは、本来は歌手のはずなんだが、この役では役者として本当に魅力的で、一種のシンデレラとしての役割を実に見事に演じていた。本当はイタリア系ではなく、アルメニアあたりの血を引いているそうだが、充分にイタリアっぽい雰囲気で、個性が役柄に合っていた。アカデミー賞の女優賞を取ったそうだが、その価値はあるかも知れない。

表情はよく分らなかった。彼女のような顔は、表情だけで観客が理解できる演技は難しい。しかし、それがかえって自然な演技になっていたように思えた。あんまり表現力がありすぎると、やはり派手になりすぎて演出過剰になる。身振りで観客が判断できるくらいのほうが自然。

仮にヒロインのような境遇にあった実際の女性達も、おそらく表情をあからさまに変えたり、泣いたりはしないことが多いはず。多少は感情を抑えたり、マナーにさわらないように努力するだろう。そうしても滲み出るような感情が演技できれば最高。それがシェールには自然とできるようだ。演技派女優に演じさせて、オーバーになりすぎたら興ががさめる。

ヒーローのニコラス・ケイジも実に素晴らしかった。昨今の彼は全く精彩を欠いたおじさんのように思うが、この映画では野獣のような激しさ、独特の感性を持っている人物を好演していた。いかにも実在しそうな人物を、より誇張して演じるのが上手い。若い頃の彼は本当に素晴らしいキャラクター・・・・・だった。

 

 

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