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2016年3月28日

プレイス・イン・ザ・ハート(1984)

Tristar

- 弱いヒロイン -

大恐慌後の米南部の町。突然の夫の死後、借金の存在に気づいたヒロインは、知り合った黒人らとともに、綿花栽培に乗り出すが・・・・

・・・・DVDで鑑賞。観客に勇気を与える力を感じる映画だった。アカデミーの脚本賞を取ったそうだ。良い話だった。

ヒロインが前半で体験する悲劇が、ドラマティック過ぎなかった点に気づいた。普通のメロドラマとは違い、かなりドライに、ほんの普通のことのように起こる悲劇。あれがかえって、お涙頂戴の安っぽさにつながらせない効果があったようだ。

ヒロインが、その後体験する苦労や困難も、メロドラマの悪弊に陥らせないまま、リアルさを保ったままの日常的な物語で描けていると感じる。必要なさそうな不倫話、姉妹の間の会話なども、現実感につなげる効果があったに違いない。

この作品のことは少しは知っていたが、なかなかビデオ屋さんに並ぶタイプの映画ではないので、観る機会がなかった。ど派手な宣伝をされた大作なら、後々までビデオ屋でも大きな顔をされるが、企画が小さかった場合は、いかな名画といえども隅っこに行ってしまう傾向を感じる。

ヒロインのサリー・フィールドが好演していた。あまり派手に立ち回りすぎると、この作品の場合はおかしくなる。優れた能力で乗り切るタイプのヒロインではなく、健全な精神で耐える人物像なので、少なくとも強そうなイメージ、鋭い眼光などは必要ない。弱々しいくらいのほうが、かえって好印象につながっていたと思う。

彼女は、この作品で主演女優賞をとったそうだが、確かにそれだけの価値があったように思う。強くなさそうな点が良かった。体力的には全く弱いし、負けん気が非常に強いわけでもない。信仰心は厚く、家族への愛情に満ちているので、それを守るために賭けに出る勇気がある・・・そんな個性が上手く表現できていた。

ダニー・グローバーやジョン・マルコビッチの演じた個性も素晴らしかった。何かモデルのような人がいたのだろうかと、ちょっと思った。戦争による視覚障害者という個性が、この作品のストーリーに必須だったかどうか分らない。もしかすると、監督の故郷で、モデルになった実際の人物がいたのではないだろうか?

実際の話、当時の南部で綿花の栽培を初め、直ぐに経営が成立しえたのだろうかと、疑問に思えた。景気が悪かった時代、繊維、衣料品産業だけ好況とは思えない。よほどな偶然がないかぎり、高値で売れて、家計を持ち直すことは難しかったのでは?

 

 

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