映画評

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2016年2月18日

ビッグ・アイズ(2014)

Weinstein

- 契約の必要性 -

夫から逃れたヒロインは、商才のある男と知り合い、男の名義で絵を売り出して成功する。しかし、やがて嘘をつくことに耐えきれなくなって行く・・・・

・・・・実話が元になっているそうで、そういえば雑誌か新聞で裁判のことを聞いたような気もする話。DVDで鑑賞。

この作品の成立には、クリストフ・ヴォルツの登場が絶対に必要だったと感じた。当代きっての悪役、嫌らしい個性を演じたら類を見ないほどの完成度を持つヴォルツの存在が、この作品の企画を可能にしたと思う。最終的な勝者はヒロインだろうと最初から分かっているが、手強い悪役が作品の決め手になる。ヴォルツがそれを担当していた。

素晴らしい存在感だったと思う。ただし、演出には難があったかも知れない。彼が好かれる必要はなく、とことん嫌らしい人物として、情けない姿、怖さを徹底的に演出したほうが、作品の印象は高まったと思う。嫌らしさが抑えてあったのが残念。

裁判で負けた場合、自分の名誉や財産が失われることは確実なので、必死の弁護をすると思う。あさましく、殺気だつほどの姿が描かれたほうが自然だし、かえって好印象につながったのでは?笑えるような姿は必要なかったと思う。

実際のところ、真相がどんなものか分からない。微妙な点で、真相とは違う部分があるかも知れない。描き方次第で、悲劇のヒロインが一方的に利用されたのか、あるいは共同作業が破綻し仲間割れしただけか、理解の仕方は色々ある。

ヒロインは夫の名前で絵を売ることに、当初は同意していた可能性が高いと思う。真相は分からないが、最初から強制的に名義を変えられていたら、長期間にわたって黒子に徹することは考えにくい。脅しが根底にあったのだろうか?そのようには描かれていなかったようだが・・・

ヒロインの名誉を傷つけるつもりはないが、おそらく夫婦仲が破綻し、離婚が前提になって初めて解約を本格的に考えたのではないだろうか。離婚する相手に同情する必要はない。離婚後の自分の生活は大事なので、権利を総取りする必要を感じ、その際に穏便な解決策を選択しなかった・・・それが基本では?

もちろん夫婦仲の破綻に、隠し事が関係していた可能性も高いと思う。公表するかしないかで、常に意思統一が図られるかは分からない。普通は夫婦喧嘩の材料になって、離婚の誘因になりそうなものと思う。妙な約束は、結婚当初は良いが、維持するのは難しい。お互いの我が強まる頃には、維持が無理になってくるものだ。

夫側が殺人をほのめかしたのが事実なら、間違いなく夫には非がある。脅迫できる立場にあるとは思えない。でも、あれが演出なら、少し同情の余地もある。共同作業で絵を売っていたのも事実だろうからだ。もし書類で権利を共有するとでも契約を交わしていたなら、絵に関する権利を主張もできようが、それがないなら絵の権利は描いた人にあるはず。

共同作業でもめない例は少ない。ビートルズのジョン&マッカトニーの間では、売れる前から共同作業の約束をしていたそうだが、どうも関係の維持はできなかったようだ。夫婦の間でも、書類を交わすことくらいは常に考えておくべき。

劇場主は掃除、洗濯、子もり、買い物をこなす契約をしたはずはないのだが、こなしている。これに妻からの脅迫が加われば、裁判では有利になるとふんでいる。暴力沙汰は厳禁である。

 

 

 

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