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2016年2月21日

マイ・フレンド・フォーエヴァー(1995)

Universal

- 絶望の表現 -

HIVに感染した少年と、その友人となった少年の冒険を描いた作品。DVDで鑑賞。

この当時、エイズはまだコントロール不能な病気だった。怪しい治療法が報道され、それに踊らされる人々は多かったと思う。映画でもたくさんの作品がエイズ患者の不幸を描き、涙なしには観れない者ものも多かった。この作品も泣ける。

治療法がないと話す時の絶望の表情が素晴らしい。目を合わせて、何も言えなくなるシーンが何度も出てきた。

子供の場合、自分が助からないと感じさせるのは大人の場合より辛い。子供に限れば、何も分からないまま眠って亡くなるほうが良いと思う。何か自覚を持たせて良い方向性があるなら別だが、苦痛を感じる時間は短いほうが良いと思う。

特に実話に基づく話ではないと思うが、原作の小説があるようには書いてない。映画用のオリジナル脚本かも知れない。少年が薬草を試みる話や、兵隊のオモチャで残酷な遊びをするシーンは、実体験があるように感じたが、ストーリーは当時しかありえない。

少年らの母親達を演じた女優ふたりが素晴らしい演技をしていた。エイズの少年の母親役は、実の親子のような雰囲気だった。悪役の母親も、いかにもそれらしい不満気な表情が上手かった。

主人公の少年役は、その後麻薬中毒で亡くなったそうだ。元々、そんな早熟でアンバランスな面があったのだろう。たしかに演技には何も問題なく、充分な芝居をしていたと思う。

ただし、髪型が坊ちゃん風に思えた。あんな髪型だと、不良っぽいキャラクターとは合わない。この作品の主人公は完全な不良ではなかったが、ハイソなお家の坊やでもなかったはず。鍵っ子に近い境遇で、両親が離婚していて生活に乱れがあり、もう少し汚い、格好つけた髪型の少年のほうがタイプに合致していたのでは?

そもそも俳優がハンサム過ぎた。この役はヒネた個性の、いきがったワルガキタイプの顔が欲しい役柄。昔のジャック・ワイルドなどに近い個性の俳優が望ましい。そして、少年が少し年長過ぎた印象も受けた。そして、もっと細身が良い。神経質そうな、骨と皮のような体型が望ましい。おそらく当時高い評価を受けていた主演の俳優を無理に引っ張ってきたのでは?

それにしても、ハリウッドの有名子役は不幸な人生をたどる人が多い。どこか異常な部分や、なにかトラウマのような影の部分があると映像的な魅力が出てくるのかも知れない。その個性の悪い面が発揮されると、麻薬などへの依存が生じやすいのでは?周りの業界人達にも中毒が蔓延しているのだろう。

エイズは極めて不幸な病気だった。今でもそうだが、80年代は神の罰とさえ思えたほどやっかいな病気だった。今は注目度が下がった関係で、患者数としては増えつつあるように聞いている。

レトロビルの発売は1987年だそうだ。90年代はHAART療法によってコントロールが可能になってきた時代。つまり望みが出てきた頃。そうでないと、こんな作品も作れなかったかも知れない。全く望みのない状態だったら、患者の不幸を描くこと自体が不幸を助長しかねない。過去の話として描けるようになって初めて公開が可能になったかも知れない。

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