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2015年12月12日

オリエント急行殺人事件(1974)

Paramount

- 雰囲気の再現 -

オリエント急行において、ある富豪が殺された。名探偵ポワロが偶然乗り合わせたため捜査を担当し、乗客を尋問して推理を展開する・・・

・・・DVDで鑑賞。この作品は過去に何度か鑑賞していたのだが、当直の合間で観た関係でか飛び飛びで記憶しており、全体を通じて観たのは初めて。改めて感じたのは、古い時代の雰囲気を再現しようとした良い雰囲気。高級欧州ブランド製品のようなイメージ。

原作の翻訳本は若い頃に何度か読んだ。古めかしい台詞の言葉が、この作品の時代背景に合っているなと感じていた。この映画も、そこを狙っていたのではないだろうか?

音楽が効果的だったように思う。古き良き時代の雰囲気を出すように、静かな管弦楽を中心にした曲で盛り上げていた。映像も、少しフィルターでぼやけさせていたように思うが、たぶん女優達の要求でではなく、映像の雰囲気作りのためにやったのでは?あんまり鮮明な画像では、作品の質に合わないと判断した可能性はある。

ユーモアを兼ねた演出だと思うが、列車が出発し、物語の展開が始まる時に曲も始まる場面があった。なんてことはないシーンだが、ミュージカルタッチで、それなりに楽しいませてもらえる。

この作品には血まみれの死体が出てくる。ナイフを差すシーンでは、結構怖い音も聞こえる。幼児には向かないシーンかも知れない。でも一般的には、小学生以上の子なら、家族と一緒に観ても構わないレベルのシーンではないかと思う。

少し古い演出ではあるように感じた。高級感は感じるが、芝居が派手すぎて舞台チック。今どきのサスペンス映画よりも、なんだか気が抜けたような、激動感に欠ける印象もある。だから、若いカップルが鑑賞すると、拍子抜けするかも知れない。

スターがたくさん登場していた。ローレン・バコールやイングリッド・バーグマンなどの女優陣が目立つ。それぞれが、かなりオーバー気味に演じていたように感じた。演出過剰、演技過剰ではなかったろうか?

何かを隠そうとしている人物を演じないといけないので、いかにも自然に見えて少し無理が感じられる・・・そんな微妙な状態を表現しないといけない。そこまで表現できていたのか、劇場主には疑問に思えた。加減が難しい。

主演のポワロ役、アルバート・フィーニーの演技もそうだった。ポワロのような特異な人物の演じ方は、加減が大事。静かすぎると、観客の理解が得にくいし、過剰だと妙になる。この作品では途中までは最適な演技だったと思うが、ラスト近くでの種明かしのシーンではやや過剰に思えた。

おそらく、皆が緊張した場面でユニークで場違いな言動をとる変人を演じ続けると良かったはず。途中から変人の顔が目立たなくなって、ユーモアが最後まで続いていなかった。

そのせいか、この作品自体が高級な映画になりきれなかった印象を受ける。古風な演出で、いっそのこと舞台劇を再現したりして、当時の上流階級の雰囲気を表現し切れれば、`良いものをみせてもらった’という感覚が生じたのではないかと思う。冒頭で若い伯爵夫婦が登場してくるシーンなどは、演出過剰。自然に、群衆の中から現れるくらいが良いと思う。

 

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