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2015年12月24日

三つ数えろ(1946)

Warner

- 主人公と女のみ -

私立探偵マーロウは、脅迫と失踪に関して捜査を依頼される。美しい姉妹、本屋、ギャングらが何かを隠していると考えたマーロウだったが、ワナにはまってしまう・・・・

・・・・DVDで鑑賞。`三つ数えろ’という邦題のセンスが素晴らしい。

オリエント急行殺人事件を久しぶりに鑑賞したら、ローレン・バコールが出演していて、そう言えば彼女の映画を観ていなかったことに気がつき、この作品に思い当たったという次第。彼女は悪女役に最適だが、好感の持てる悪女だった。昨今の悪女役ナンバーワンの菜々緒嬢は、バコールよりワルで、怖さが凄い。細身で端正な顔の悪役は、なんとなく共感を得やすいのだろうか?

この作品は44年頃には出来上がっていたそうだが、大戦の関係で公開が遅れ、撮り直しなどを経て46年に公開されたと解説されていた。でも、手直しの後も非常に効果的な表現に変わっていたのかは分からなかった。ストーリーが難解だった。

おそらく、前知識として原作の小説を読んでいれば話の流れが直ぐ分かったかも知れないのだが、前半部で登場人物の名前をうわの空で聞いていた劇場主は、セリフで誰のことを話しているのか分からなくて頭が混乱したまま、理解に時間がかかってしまった。ひょっとすると作り方次第で、もうちょっと分かりやすいストーリーにできたようにも思った。

原作小説のストーリーをいじることは難しいので、映画化の際に、映画でないとできないような解説めいたテロップ、台詞で復習させるような表現が、もしできていたらどうだったろうかと、ちょっと思った。邦訳テロップの場合に、「運転手の誰それ」「本屋の誰々」「店員の誰々」と言ってもらえると覚えられる。

映画独特の表現方法はたくさんある。人物が怪しい行動をとるシーンを演出で強調すれば、主人公が感づいていない段階で観客は「あいつが犯人だ!」と気づき、主人公の行動にやきもきする効果が出る。そうすると、流れを理解しやすいという効果もある。複雑なストーリーでは、そんな手法も有効ではないか?本とは違った解説が可能だ。

この作品には無理が多々ある。主人公らが待ち合わせに先に来て隠れていることを知らない部下の連中は、家から最初に出る人間を殺すことはできない。必ず自分らの親分を殺すことになるはずだから、設定がおかしい。原作でもそうなっていたのだろうか?運転手や本屋の殺され方も曖昧な点が多く、真相が分からないままのように思う。

おそらく、現代の子供達がこの作品を観ても、印象は似ているのでは?なんだかよく分からない印象のまま終わると思う。それに、この作品は恋人と観るのに最適な雰囲気とも思えない。とことんスリルがあるとは言えないし、恋が盛り上がって良い結果が待っていたとも言えない。

でもアイディアは素晴らしいと感じた。黒幕がなかなか分からない展開。姉妹の役割や、秘密が分かりそうで分からないことなど、謎を解くために興味が維持される作り方は良かった。

後年の「動く標的」「チャイナタウン」「LAコンフィデンシャル」などは、ずっと洗練された作品だった。不可解な事件の謎解きの部分は似ていても、敵が何をどうやったのかという細かい設定に無理がないように、周到な検討をやったかどうかが違う。そして、後になるほど残虐なシーンが多いような気もした。

この作品の場合は、主人公と女達が格好良く収まるシーンを撮影するほうが大事で、細かい点は後でつじつまを合わせりゃいいやといった適当なノリを感じる。当時の観客の興味を考えると、それで正解だったのかも。

平成27年12月22日に、新国立競技場のプランが決まったらしい。決定に至る経緯がよく分からなかったが、ABふたつの案の選択をどこかの会議で決めて、政府も了承した。大成建設が中心となったグループが担当するのは、過去の流れから有利だったのだろう。既定路線があったが、そこをカモフラージュしたように見える。清水建設側にも、おそらく仕事は回ってくるのでは?

時間の制限があるので、今回は全く新しいグループが参入することは避けようと、おそらく役人も政治家も結束していたのだろう。今後は、路線が決まった以上、追加で予算をどれだけ取るかが重要になってくると思う。東京都も3割くらい負担するらしいので、国が独断で追加工事をするのは難しいだろうが、都との談合めいた交渉でなんとでもできるように思う。

大きなことをやる場合、既定路線を作って流れの中で反論が現実的でないような雰囲気にしないといけない。流れができれば、仕事は異常に早く進む。欲に目がくらめば、突貫工事が可能だからだ。1500億円というと気が遠くなるような金額だが、おそらく誰も案に反対することができない。責任を問われることもないだろう。

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