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2015年11月12日

ヒトラーとナチ・ドイツ(2015)

- 講談社現代新書 -

・・・・ナチスドイツが、民主的な選挙によって権力を掌握した経緯を解説した本。なんで、こんな本を読んだかと言うと、昨今の日本の国会の状況が怪しいからだ。別に安倍氏がヒトラーだと言ってるわけじゃないが・・・・

著者の石田勇治氏は東大教養学部の教授。ホロコーストが専門らしい。この方以外にも、なぜ民主主義が全体主義に変わられたのかを研究している方は多く、いろんな本が出ているようだが、決定版はないのでは?と、思う。この本を読んでも、非常によく分かったとは感じなかった。

事実の羅列の部分がかなりあった。わざわざ書く必要があったのか疑問に思ったが、ヒトラーの本を読んだことがない人は、おそらく歴史の授業で1頁くらいの記述を読んだくらいしか知識がないと思うので、理解を深めてもらうために羅列も必要かも知れない。もっと短いと、こちらとしては有り難かった。

経済面の分析、特に失業率対策の裏技は、読んだことがなかったので驚いた。有名な話なんだろうか?今までは、アウトバーン工事などで雇用を産んだなど、良い仕事もやっていたようなイメージがあったが、宣伝に騙されていたのかも知れない。あるいは、氏は過剰に経済効果を低く表現しているかも知れない。

女性が家庭に入るように補助金を出したというのも知らなかった。家庭に入れば、確かに失業者ではなくなる。発表される失業率は良くなるだろう。今後、日本でも政府が使う手かも知れない。

最初からヒトラーがナチス独裁を考えていたのかは、よく分からなかった。「我が闘争」も一度目を通したことがあるが、長いし内容に乏しいので、どんな計画を練っていたかは理解できなかった。この本の記述だと、偶然のように権力を握ったに過ぎないと思うのだが・・・

今後、ヒトラーのように権力を握る勢力が出るか、そのへんが非常に気になる。橋下大阪市長や、安倍総理などには、そんな危険な臭いが漂うが、文明国で教養の高い人間が多かったはずのドイツで、簡単に独裁政権が誕生するくらいなら、日本では何でもあり得るだろう。日本人の政治的判断力では、レベルの低いことしかできないように思えて不安。

文明国とは言っても、おそらくヒンデンブルグのような人物が大統領になるということは、軍国主義に好意的な国民の意識が基本にあったはずと思う。鉄血ビスマルク時代からの伝統が、まだ生きていたはず。米国でも戦争の英雄が大統領になることはあったが、伝統の違いがあるから、民主主義に移行して間もないドイツの場合、首長が軍人ということは、イコール、民主主義は嫌いということを意味していたのだろう。

その下地があるので、何かあって民主主義政権が支持を失うと、一気に独裁政権が生まれる構造だったのではないか?要領を得ない政権に見切りをつけて、手際よく政治を行う独裁政権に期待する心情が生まれたのではと思う。それは日本でも同様だったろう。

自分の過去の経験でもそんなものだった。部員に意見を求める先輩より、「オレについてこい。反論は許さん。」というような先輩のほうが、部活動などの場合はまとまる。「どうしようかねえ?」などと相談されたりしたら、大丈夫かいな?と不安になる。部活動も政治も、似たような感覚ではいけないと思うのだが・・・

国会議事堂の火事は、ナチス独裁に巧妙に利用されたようだが、あのような自作~他作の事件が、今後も上手く利用される危険性は高いように思う。

日本の経済は、安倍政権誕生の頃と比べると、失望感が拡がりつつあり、沈滞ムードに入っている。成長率が全てではないと思うが、米国のように数値が伸びていないことは確か。政権にとっては数字をよく見せる必要はあり、何かやろうと考えているはず。でっち上げめいた事もあるかも。

 

 

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