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2015年10月19日

赤ちゃん泥棒(1987)

20cfox


- 特徴あふるる -

犯罪者と看守の女が結婚したが、子供が生まれない。そこで夫婦は子供の強奪を思いつく。しかし、怖ろしい連中と子供を奪い合う羽目になる・・・・

・・・・前から気になっていたコーエン兄弟作品。DVDで鑑賞。皮肉な流れ、ブラックユーモアたっぷりのギャグ、ただおかしいだけじゃない怖いキャラクターなど、毒々しいが面白い、特徴あふれる映画だった。

でも、どこかで見たようなストーリーで、昔のドラマか漫画にも、似たような話はあったように思う。古いアイディアをまとめ、整理して配置し、物語を作る能力が素晴らしかったのかも。

おそらくコーエン兄弟は、過去のドラマや映画を徹底的に分析し、アイディアのストックを蓄えていたに違いない。センスを培い、万人受けする作り方を、最初から知っていたのだ。日本人の感性にも近いものがありそうに思う。

犯罪者がヒーローになっていたし、作品の中で人道面や倫理面に気を配っていそうな雰囲気がなく、家族で楽しめるタイプの作品ではなさそう。だから小さな子供には向かない。大人には、ブラックユーモア好きならば非常に受けると思う。完成度は高いので。

ストーリー展開が素晴らしかった。赤ん坊が奪われないように注意する夫婦と、秘密を探ろうとする連中の駆け引き、奪われた後には奪い返そうとする夫婦と、そうはさせまいとする連中の激しい戦いが面白い。戦いぶりが激しく、しかも笑えた。

殴り合いのシーンも多いのだが、無茶苦茶に部屋を壊しながらの戦いにもかかわらず、おかしさが常に感じられた。

主役はニコラス・ケイジで、この役には最適のキャラクターだったかも知れない。最近の彼は年をとったせいか、お爺さんの雰囲気が強くなり、映画の主役には向かなくなってきたように思う。彼の場合、味のある貫禄が出るタイプではないので、魅力も失せている。でも、この頃の彼は素晴らしい。

犯罪者を演じていても、ぼんやりしていて間抜けそうな表情なので、人の良さそうな雰囲気がする。この作品の場合、頭の切れる主役だと話がおかしくなるので、間抜けそうな表情は大事だった。

妻役はホリー・ハンターで、後年の「ピアノ・レッスン」とは全く違った役柄。極端な考え方をしそうなキャラクターは感じられたが、小太りな女優のほうがイメージ的には合致していたような気もした。毒々しい個性を、もっと強調して主人公を喰ってしまうくらいなら、さらに面白かったかも知れない。

探偵~賞金稼ぎ役のキャラクターは非常に派手で、この作品の中で重要な役割を果たしていた。でも実在感はなかったので、他の個性、例えばしつこく嫌らしい切れ者だがキザな格好をしているような、イヤミなキャラクターの人物ではどうだったろうかとも考えた。

 

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