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2015年9月28日

おおかみは嘘をつく(2013)

Magnolia

- 気味は悪いが佳作 -

少女殺人事件の容疑者は刑事達に拷問されるが、それが動画サイトに投稿されたため、刑事は停職処分となる。いっぽう、娘の父親は容疑者への復讐を狙っていた・・・

・・・・恐ろしい映画だったが、非常に完成度の高い佳作。イスラエルの映画だというが、確かにハリウッド映画のような派手さがなく、ヨーロッパ映画ほど暗すぎず、ちょうど適度な雰囲気を作り、センスの良い映画だと思う。

とは言っても、この作品は子供に見せて良い映画ではなく、異常者達の犯罪映画であり、グロテスクな死体や無残な殺し、拷問のシーンが延々と続く、気味の悪い映画。恋人と楽しむタイプの映画とは思えない。基本は一人で鑑賞するのが良い。

アイディア、脚本が素晴らしかった。刑事が陥る境遇が恐ろしいのだが、滑稽でもあって、映画の魅力になっていたと思う。また、娘の父親や、祖父の対応、父親と祖母との電話での話の内容などもおかしい。恐ろしい拷問をやりながら、母親に言い訳をする様が笑える。

容疑者役も素晴らしかった。リアルさを保つように、妙に目立つ演技をしなかった点が良かったと思う。

より一般的にするなら、刑事が追い込まれて精神的に参ってしまい、過剰な行動に走る、それを後悔するなどの悩みが表現されると良かったかも知れない。誰に同情してもらい、誰を極悪に描き、誰が真の異常者か、そして逆転に次ぐ逆転の立場の入れ替わりも欲しかった。

よりリアルにしたいなら、娘の父親も悩みながら行動したほうがいい。おそらく初めて犯罪行為に走るのだろうから、何かのためらいはあるはず。そこらへんがリアルでなかった。

母親が登場しても良かったかも。夫婦でエスカレートしていくと、話はより陰惨になり、観るに堪えない作品になりかねないが、弱々しそうな母親が凶悪な人物に変わるのも、この作品のブラックユーモアに合致した流れと思う。

先日、中学一年生のカップルが惨殺される事件が起きた。犯行の目的は、これを書いている8月30日の時点では明らかになっていないが、よほどリッチな中学生でないかぎり金目的とは思えないし、性的犯罪にしては対象者が幼すぎるような気もするし、一般の予想を超えた何かがあったのだろう。

中学生でも色っぽい娘は変質者の注意を引いてしまうかも知れないし、元々容疑者に特殊な趣向があるのかも知れない。

容疑者が逮捕されるまで、いろいろな監視カメラの映像が役立ったらしい。コンビニや路地に配置されたカメラがたくさんあるので、総合すると容疑者につながるようで非常に便利だと思うものの、勘違いによる誤認逮捕が本当にないのか、気になる。ただ似ただけの人物を捕まえた可能性はあると思う。

中学生カップルは、二人でどこかに旅行しようとしていたらしいのだが、さすがに中学1年生の場合は、大人といっしょでないと責任問題が生じた場合、何もできない。親と喧嘩でもして、家出をしていたということだろうか?

容疑者は、過去に性犯罪で逮捕された過去があるという噂もあるようだ。本当なら、罰則や管理が適切だったのか、よく考えなおすべきと思う。本当の倒錯者を、簡単に野放しにしないようにして欲しいし、正常範囲の人間をむやみに追い込まないように、何か考え方があると思う。

 

 

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