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2015年9月 7日

待ち伏せ(1970)

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- 惜しかった -

浪人者に妙な仕事が来る。峠で事件が起こるのを待ち、対処せよとの指示。峠には妖しげな人物が集まってくる・・・・

・・・用心棒シリーズのイメージをそのまま、風来坊の主人公が関わる争い、陰謀をめぐる推理サスペンスと活劇を混ぜたような作風。6月14日、衛星劇場で鑑賞。

ひところ話題だった三船美佳のお母さんの北川美佳が茶屋の娘を演じていた。可愛らしくて声も良く、演技もこなしており、充分に役割を果たしていると思う。三船とは親子ほど齢が離れていることが画面からもよく分かった。

この作品には石原裕次郎や勝新太郎、中村綿之助まで出演していて驚いた。当時のスター総動員の大作映画!と宣伝されたに違いない。出演者だけで力の入りようを感じる。ヒットしたのかは知らないが。

単純に面白かった。陰謀のからくりが徐々に分かる点が良かった。勝の役割が重要だったと思う。仲間になると思っていて敵になり、はてまた仲間意識を持つ、そんな人物はなかなか演じにくいと思うが、コワモテの勝なら大抵の人物は演じられる。絵になっていた。

三船も勝も、殺陣が素晴らしい。捕り物のシーンでは、今ではなかなか観られないほどの迫力が感じられた。相当な修練を積んでいないと、あそこまでリアルでしかも迫力のある殺陣はできないだろう。元々の運動神経も良いのでは?

石原裕次郎の役割はやや無理があった。役割として添え物のようなキャラクターで、必須の人物でもなかったように感じた。時代劇はきっと本人も不得意だったのではと想像する。頼まれて出演したのでは?

浅丘ルリ子も懐かしい女優。この頃はまだ頬がこけてなくて、美人女優の代表的な存在だった。でも時代劇に、こんなメーキャップの女はおかしくないかと個人的には疑問に感じた。化粧法が凄い。

どうしたら、あんなメーキャップが成立するのか、子供の頃から疑問に思っていた。でも考えてみると、欧米の女優達も当時は凄まじいマツゲを付けていたから、あれを真似たのかも知れない。目の大きい浅丘嬢は、フランスの女優たちとも似ている。当時の最新モードだったので、時代劇だろうが何だろうが、化粧法は変えないという強い決意があったのかも。

中村綿之助は三枚目で、少しお茶目な役人役だった。結構激しく走ったり、たぶん本人が崖から落ちるシーンもやっていたように思う。充分に望まれる役割を果たしていた。

ストーリーが良かったと思う。妙な指令が出て、観客は峠で何が起こるのか分かりようがない。徐々にしか筋書きが見えてこないから、展開に驚くのが普通だろう。意外性を持つストーリーは、アイディア賞ものだと思う。もしかすると今の若い人たちが見ても、結構面白いと感じるかも知れない。

不自然な点もいくつか感じた。勝演じる人物が、上役の命令で動いている点。上層部に不満を持っているなら、他の行動もとりえたように思う。上役の個性も少しおかしい。勝をワナにはめるとしたら、部下に命じた方が確実では?

大筒を配備するのに誰も気づかないのも妙な印象。村人か、茶屋の人たちが気づくのが普通。大筒が必要と考えるのも不自然。直接爆薬でも仕掛けたほうが成功率は高いだろう。映画的に絵になりそうなストーリーを、無理して作ったとしか思えない。

もし、茶屋の女達が殺されていたら、三船の最後の行動には観客の怒りがこもり、後味の違いが出ていたのではないかと思う。犠牲者が出て、黒幕が高笑いしていることに腹が立つ、そこをスッとさせて欲しい。憐れさ、空しさを一度感じさせる必要はあったはず。そこが惜しい。

したがって、北川美佳嬢、もしくは浅丘ルリ子には死んでもらう必要があった。その点はミスだったと思う。

 

 

 

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