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2015年8月 8日

メンフィス・ベル(1990)

Warnerbros

- 盛り上がり不足 -

ドイツを攻撃する爆撃機メンフィス・ベルの乗組員の物語。最後の目標はブレーメン。しかし敵機の襲撃を受け、作戦遂行は難しくなる・・・

・・・・この作品は実話を題材にしているが、ストーリーは大幅に変えて作られたオリジナルの物語らしい。7月5日、衛星放送で鑑賞。最近戦争映画が多いような気がするのは、まさか政府の差し金か?国会が自衛隊派遣問題で会期延長されてる時期だから、注目させようと考えたのか?

でも、逆効果だったかも知れない。今の時点で安倍政権への評価は下がっている。支持率50%を切ったままという。株価はまだ高めなのに、戦争関係の法案が絡むと、やはり評価は厳しくなるようだ。特に沖縄の新聞を潰せみたいな妙な勉強会を開くもんだから、まずい方向に風向きが変わっている。

この作品の放映で、海外への自衛隊派遣に道筋が立ったろうか?やっぱ関係ないと思うが・・・

主演はマシュー・モディーンだったが、バランス的には他のクルー達とほとんど変わらず、均等に見せ場がある印象。登場人物の個性が出るように、可能な限り枝葉的なエピソードを織り込んでいたようだ。その効果は確実に感じられた。大ヒーローが登場しなかった代わり、後味の良い物語になっていた。

逆に、ヒーローなしの戦争映画は、盛り上がりの面では問題があった。この作品は、誰かに勧められるようなレベルには達していないように思う。くだらない映画とは思わないが、感動作とも思えない。

医者で志願した爆撃担当者、自分が死ぬと思い込んでしまった狙撃手、お守りにこだわる若い兵士など、わざわざ特徴が出るように色々な個性のキャラクターが出ていたが、戦争もの、何かの仲間を扱った作品の典型として、基本に忠実だったものの手際がよろしくないので、少々アザトイ印象も受けた。

おそらく、あわてて個性を解説するような愚を避け、大事なポイントごとに個性が湧き出るように表現したほうが良かったはず。少し余裕が足りなかった印象。

一番の見せ場は、攻撃目標地点に達した時、視界が悪くて目標を確認できなかった時だろう。そして次は、撃たれた仲間の命が危ない時、思い切って処置するか、独軍の医療に期待して任せるかの判断。いずれも、間違った判断をすれば犠牲者が出る。どう対処するかが見物である。

また最後の方で、帰還してきて着陸しようとする時、片車輪しか出ないと分かったシーンも緊迫する仕組みになっていた。前半部分でちょうど片車輪で着地した飛行機があった。成功したかに見えて爆発していた。あれが連想されるから、当然緊迫する。よく考えてあった。

しかし、ちょっと演出が大人しすぎた印象も受けた。マシュー・モディーンの表情のせいかもしれない。わりとクールに操縦していたように見えた。他の俳優、例えばトム・クルーズなら、ビビッた表情を出して、必要以上に緊迫感を出してくれたかも知れない。もっと悩んだり、怖がってよかったはず。

クルー同士の仲が良すぎたかも知れない。喧嘩して殴り合いをやらかし、その仲違いが元で作戦に悪い影響が出る・・・・そこを乗り越えて理解しあう・・・そんな流れが常道だと思う。感動につなげるための、そんな設定がもっとあって良かったのではと思った。

爆撃機の仕組みを始めて知った。おそらく高度と飛行スピードから計算して、どこで落とせばどこに命中すると、機械が表示してくれているのだろうが、たぶん視野が進行方向に少し前方に傾いていて、スピードを固定さえすれば狙えるという仕組みではないか?

ということは、爆撃の前後には一定のスピード、方向ということになるから、高射砲が届きさえすれば、敵側には狙いやすかったのでは?

実際の爆撃はどうだったろうか?ドイツの町も焼け野原になったようだから、問答無用で適当に攻撃していたかも知れない。後でひどく後悔した兵士も多かったと思うが、自分が撃墜される危険が高い場所で粘るのは、やはり怖いだろう。おそらくほとんどの場合、そこいらじゅうに爆弾を落として去っていく部隊が多かったろう。

一般住民を対象にした爆撃は、全て戦争犯罪だと思う。日本が重慶でやったという攻撃も、米軍の日本への攻撃も、兵士を対象としていないのだから、少なくとも裁判は必要と思う。もちろん、表彰などの対象ではない。でも、敵の生産力を落とすのは現実的な戦法。昔とは形を変えた兵糧攻めの一種だろう。

今後も爆撃という戦法は繰り返されるのだろうか?今は狙う能力が高くなっているので、大量の爆弾を都市全体に落とす戦法は必要ないと思うが、日本家屋を対象とした作戦では、今でも効果は高いはず。狙ってくる勢力があるかもしれない。

効率から考えると、誘導ミサイルで工場や発電所などのインフラを破壊するのがベストと考えているはず。インフラが乏しいイスラム過激派勢力の支配地域に対しては、そんな欧米の戦い方が効果を示しにくい。したがって、過激派は存続しうる。今後も消えてなくなることはないだろう。

 

 

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