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2015年7月27日

遠すぎた橋(1977)

Uabridgetoofar

- 遠すぎた企画 -

オランダへの進軍を勧める連合国軍が、一気にドイツ勢力内部に降り立って連絡路を確保しようとし、失敗した作戦の再現映画。

・・・・失敗した作戦の映画がヒットするものだろうか?この作品は、その評判に関しては、あまり記憶がない。当時の宣伝ではロバート・レッドフォード主演のように扱われていたと思う。一番の大スターだったからだろうが、作品の中ではあまり長い時間出ていない。映画の企画自体が実際の作戦と似たような失敗の臭いがするのであった・・・・・7月19日、衛星放送で鑑賞。

勇ましいだけの作戦を扱わないセンスは、リチャード・アッテンボロー監督の個性に通じるものを感じる。なんといっても、「ガンジー」の監督である。映画のラストシーンも独特。家を破壊された一家が、家財道具を荷車に載せて歩いていくのだが、小さな子供が一人遅れている。絵画的で印象的、余韻を残すセンスが良いし、しかも村を戦場にされたオランダ人達の様子が分かるシーンだった。

橋のある町並みが滅茶苦茶に破壊されたシーンの迫力は凄い。セットをわざわざ作って、戦車で破壊し爆破したのだろう。廃墟の街並みは、実にリアルだった。郊外の林での戦闘シーンも相当な迫力。撮影ではオランダ軍がかなり協力してくれたそうだ。

上陸作戦というのは、ノルマンディー作戦もそうだが、敵が待ち受けている中で攻撃していくのだから、怖さは大変なものだろう。無茶な作戦にしか見えない。上空から攻撃し、迫撃砲で誰もいないくらいに叩いてから行けなかったのだろうか?

連合軍というと、物量が圧倒的で通信技術も非常に優れていたというイメージがあるが、それでも失敗する例が皆無ということはありえない。ただ、山に囲まれた地域でないオランダで通信に失敗するとは、あんまりな気もする。多少は気の緩みがあったのではないか?機器が故障しても代替が幾重にもあるようにしないと、怖ろしくて進めない。

戦術的な常識を知らないのだが、航空機からの観察を必ず平行させていれば、敵が潜んでいるかどうか、味方の部隊の間の位置関係の連絡なども出来そうな気がする。当時、制空権は連合国側が抑えていたはずなんで、地上部隊だけで進撃するような無茶は止めたほうがよくなかったか?

今だと、おそらく無人機を飛ばして、敵の位置に関しては直ぐ把握できるのだろう。野原に大軍が隠れて構えるなどは、例外を除き、もう滅多にないはず。おそらく街の中に潜み、住民を人質にして、双方がドローンを使って監視し、ゲリラ的な戦いを続けることになるのでは?

無人機の性能はどんどん良くなると思う。ドローンに爆弾をつけて、敵のキャンプで爆発させれば、効率の良い攻撃になるはず。この作品で言えば、構えて待っている敵の部隊をドローンで皆殺しにして、後は歌でも歌いながら余裕を持って進む戦争になるのかも。怖ろしいことだが。

手持ちランチャータイプの武器を大量に持って一気に攻撃したら、攻撃ヘリや戦車軍団だって分が悪い。大型兵器を維持する余裕がない勢力は、そんな手段を使ってくるだろう。複数の無人機、ロケット砲がやってきたら、対応するのは難しいと思う。日本も資源がないのだから、戦い方は同じだろう。ミサイルさえ防衛できれば、攻められにくい国にすることはできるはず。照準器つきランチャーを数億台生産して待っていると分かれば、抑止力になる。

この作品のような形で戦車部隊がやってきたら、守る方は対戦車砲を背負って自転車かバイクに乗り、攻撃して直ぐ逃走すれば、なんとか生還できるように思う。オフロードバイクやMTBなら、大抵の所は行ける。攻撃の時も、スピードと体力消耗のことを考えると、バイクの有効活用はありうる気がする。

通信機器がどのように使われるのだろうか?今は、ほとんどの通信方法は敵にも伝わってしまうと思う。特殊なSNSを作って、敵が傍受できないようにする方法があるのかも知れない。周波数を制限し、敵の通信施設を壊したりとか、だいたいの手段は決まっているのだろうが、今は荒野のゲリラがスマホで犯行声明を出す時代。SF的な通信もありうる。LINEで「あそこに原爆落とそうか?」などと相談する時代が来るかも知れない。

大国同士の戦いの場合、空中ではミサイルが飛び交い、戦闘機の戦いがあって、次はヘリが飛び交うことになると思う。そのどれもに凄い破壊力があって、町は見るも無残な姿になるのだろう。輸送は悪名高いオスプレイが中心になるのだろうか?

それにしても、この夏は戦争映画の多いこと。意図的にやっていると思う。某国の情報部から、手下のエージェントを介して、「第二次大戦の頃の映画を多数放映せよ。それによって日本人の戦争に対する意識を高め、海外派兵の必要性を認知させろ。」という指示が出ているかも。

ところが実際には嫌悪感しか感じない人が多く、特にこんな失敗作戦を見せられた日には、「勝った連合軍さえアホウな司令部のせいで、兵隊が死んでいる。日本軍ときたら、敵より仲間を殺すのが仕事のような連中ばかり。これは派兵には反対せねば。」と、想定外の認識が高まってしまったようだ。どうしてくれるんだ!と、政府は思っているかも。

政府にしてみれば、いっさい報道されないまま法案が通ったほうが良い。次の選挙は、ほとぼりが冷めて、経済対策のほうが重要な時期が良い。余計なテレビ放送は、圧力をかけて中止させないといかんと気がついたかも知れない。

いよいよ派遣された隊員達は、攻撃された時にどう対処したら良いのだろうか?派遣に関しては政府が決めるそうだが、攻撃を予測していない場所でやられたら、上層部と相談する暇もないだろう。通信がスムーズにいくかどうかも、この作品のように分からない。反撃してよいかどうか相談している間に殺されたら、普通は怒り出すだろう。クーデターを起こしたくなってもおかしくない。

 

 

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