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2015年6月30日

荒野はつらいよ~アリゾナより愛をこめて~(2014)

Universal

- 観客を選ぶ -

1800年代のアメリカ西部。羊飼いの主人公はタフなガンマンたちからバカにされ、恋人にもふられて傷心の日々。そこに盗賊団の一味がやってきて、騒動が巻き起こる・・・・

・・・・「テッド」の監督セス・マクファーレンが主演・監督を務めた作品。人種ネタを含んだドギツイギャグ満載の喜劇だったが、「腰抜け二丁拳銃」などとストーリーは良く似ていて、流れは比較的まともだった。

日本語のセリフでさえ子供にはちょっと問題な内容。人種ネタは特にひどいものも多い。黒人の脱走者を銃で撃つゲームなど、趣味が悪すぎる。便やおなら、セックスネタの酷いのが多い。家族で観るのはやめたほうが良いかも。ブラックユーモア好きなら構わないけど。

恋人と観る場合は相手次第。シモネタ好きな相手なら爆笑もの。生真面目な相手なら嫌われるか、せいぜい退屈されるのがオチ。観客をえらぶ作品だと思う。

意外なところで、CGの出来が良かった。「テッド」もそうだったが、必要な技術はさりげなく優れている。テレビ業界の優れたスタッフがちゃんと管理していたのでは?

敵役の一人、ニール・パトリック・ハリスは昔、「スターシップ・トゥルーパーズ」に出演していた俳優だ。個性的な風貌で、主にテレビでの活躍が目立つ人らしい。監督自身や他の俳優も、テレビで有名な人が多そう。人脈を生かして、映画の製作につなげたようだ。

主演のキャスティングは失敗ではなかったか?この役は、細身の小柄な俳優が望ましいと思う。ベン・スティラータイプの俳優。監督自身は俳優としての魅力には不足していると思う。大事な役だから、彼が演じない方が良かったと思う。専門の喜劇俳優を連れてくるべきだったと思う。

例えばの話、この役をチャップリンが演じていたら、かなり普遍的なおかしさが出たと思う。見るからに弱そうな男が無理して決闘に及び、ブルブル震えながら勝負を避けて逃げようとしたら、特に上手い逃げ方をした場合などは絶対に笑える。それが古典的なキャスティングのパターン。監督が演じると、テレビを観てた人しか通じない部分が多いと思う。

ヒロイン役はシャーリーズ・セロンだったが、これも少し違和感を感じた。昔ながらの女傑なら、こんな役は肉感的な黒髪の女優が演じていたように思う。なんとなく、そんなイメージがある。ちょうどジェーン・ラッセル嬢みたいな。シャーリーズ・セロンは美しいが、ややスタイルが良すぎる印象。

アマンダ・セイフライドのキャスティングも理解不能だった。彼女が選んだ役だろうか?今回の役柄だと、派手な顔の女優で、基本は同情されないような毒々しさが感じられる女優が良い。少し狙いが分からないキャスティングだった。

ダンスのシーンは一種のミュージカルになっていた。考えてみると、ギャグ以外の部分は結構マトモなシーンも多い。古いギャグ映画の伝統を全く無視しているわけではない。基本は50年代くらいの西部劇コメディにあって、ギャグだけ最近のテレビ流といった印象。

しかし、日本のテレビネタとは多少違う方向性を感じる。日本のバラエティは、芸人イジメが主流になっていて、より狭い世界の競争意識が、そのまま番組の中に持ち込まれたかのような臭いを感じる。人気の出た若手お笑いコンビなどを、他の芸人が寄ってたかってけなし、潰そうとする。最近の8.6秒バズーガなどは、その典型の扱いで、嫌な気分になる。

米国の場合は、競争自体はもっと激しいはずだが、けなしあいネタはメインにはならない。セックスネタ、人種ネタを扱うタレントは色々映画界にも進出してくるけど、けなす相手は大物スターに限られている印象。ライバル意識でネタにするのではなく、誰でも知っているスターを扱って、逆説的な意味でギャグに使うのがルールのようなもの。

 

 

 

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