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2015年6月15日

レッドオクトーバーを追え(1990)

Paramount

- 現場対応の話 -

ソ連の原潜が謎の航海を始めた。アメリカへの先制攻撃が可能な情況の中、ただの演習か亡命の意志があるのか、アメリカ側としては判断が難しい。双方に危機が迫る・・・

・・・有名な作品。何度かテレビでも放映されていたのでは?公開当時も人気があった記憶がある。ただし、作り方は非常に古風で、目新しい技術があるように思えない。役者が渋くて、緊迫感がリアルで、盛り上げ方が良かったとは思うが、陳腐な演出だと決め付ける人がいてもおかしくはないと思う。少なくとも斬新さを売りにした作品ではない。

主役のショーン・コネリーが実に素晴らしかった。ほとんど笑わない、非常に渋い演技。冷静で頭脳明晰、判断力や勇気に富み、柔軟な発想ができる人物を演じきっていた。ちょっと考えても、彼以上にこの役を演じられそうな俳優が頭に浮かんでこない。

米軍側の軍人達も、なかなか良い味の俳優が揃っていた。直接対峙する潜水艦の船長のスコット・グレンは、ちょっとヤクザ映画の気どった役者のような雰囲気だが、この作品においてはツッパリぶりが役柄に合致して魅力的。おそらく正面からの表情がほとんどなかったことが幸いしたのでは?あっちを向いてばかりの妙な演技だったが、それがかえって現場の雰囲気につながっていた。

アレック・ボールドウィンが非常に若々しく、二枚目ヒーロー役として充分に勤まっていた。体型を維持していたら、凄いスターのままだったかも知れない。派手なアクションスターのキャラクターではなかったので、仕方ないのか?監督は「ダイハード」と同じ、ジョン・マクティアナン。主人公の描き方や役者の個性によっては、大ヒーローが登場してもおかしくなかったはず。マクレーン刑事より上品で、タフさが足りなかった。

ジャック・ライアン役としてシリーズで主演を続けることができていたら・・・スター=ヒーロー=ボールドウィン君のイメージができていたかも。彼は凄いダイエットを要しただろうが、その価値はあったはず。できれば、もっとタフなキャラクターであったほうが良かった。この作品では少々とぼけた雰囲気があり、戦いに慣れていない。心に残るヒーローとなるためには、もっとタフでないといけない。

ステルス性能は、戦闘機の場合は世界の常識になっている。アメリカ以外にも、中国なども研究しているという。潜水艦で可能かどうかは知らない。ステルス性能のある大陸間ミサイルというのは可能なのだろうか?そんなものができたら、先制攻撃による大戦争も可能になってしまい、凄惨な結果が待っているだろう。

今日の技術では、潜水艦の探知能力も相当に凄いものだと思うが、実際に何か事件が起こった場合、敵の位置が分かったとしても迎撃するかどうかの判断は相当にやっかいなものになるだろう。先制攻撃されたら被害は凄まじいものになる。でも、だから自分から攻撃したら、それこそ敵の攻撃の理由を作ってしまう。混沌とした現場の場合、反撃がいつの間にか先制攻撃した犯人扱いにされかねない。

軍や国の上層部と連絡が速やかにつくかどうか、指示がないまま敵に面と向かったらと考えると、現場の兵士の気持ちは、この作品の登場人物のようなレベルの緊張では済まないだろう。判断が正しいかどうか確認しようのない情況は耐え難い。手も足もガタガタ震えて、物を持つことも難しくなってるのが普通。この作品では、そこまで出演者が緊張しているようには見えなかった。その種のサスペンスよりも、ドラマ部分を中心に考えたからだろうか。

娯楽に徹していたと言える。だからか、色っぽいシーンは全くなく、そもそも女性がほとんど登場していなかった。その点は異常とも思える作品。でも、そのおかげでか、この作品は家族で楽しめる。

例えばの話、中国の潜水艦に何か事故が起こった場合、救出に向かうべきか中国の対応を待つか、厳しい判断が要求される可能性はある。善意の救出としても、放射能汚染や爆死、中国側が誤認して攻撃してくる可能性もある。そもそも全て作戦で、一気に侵攻してこようと考えていたら困る。特に尖閣諸島で座礁された場合、救出を拿捕と言い替えられると厄介なことになる。

予測しない段階で急に攻撃されたら・・・暴走する人間は必ずいるから、ありえない話ではない。事前に法的な対処法が判っていればいいが、決まっていない場合、現場は大変だろう。

冷戦・・・今となっては懐かしい。ソ連の戦闘機が数十分で日本の都市を攻撃できるといった話が語られていたが、実際には抑止力が働いて戦闘は起こらなかった。でも大韓航空機が撃墜される事件はあった。真相はよく知らないが、微妙な進路の違いにソ連の現場が過剰反応したか、もしくは完全に誤認して攻撃したのか?昨年のウクライナでの航空機撃墜と同じようなことだったかもしれない。「うほーい、間違って撃っちまったぜ!」という会話が、ロシア側のほうで起こっていたかも。

 

 

 

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