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2015年5月31日

エージェント・ライアン(2014)

Universal

- ベッドで寝るだけ? -

愛国心豊かな青年ライアンは、CIAにスカウトされる。証券会社に勤める彼が発見したのはロシアの陰謀。それを阻止すべく、ロシアに飛んだライアンだったが、敵に恋人を拉致されてしまう・・・

・・・DVDで鑑賞。クリス・パインが主役を演じ、上司役はケビン・コスナー、恋人役がキーラ・ナイトレイという豪華布陣。

トム・クランシー原作の主人公のイメージは、研究家でありながら軍を中心に活動し、一応は軍人のはず。CIAの依頼を受けて活動もするが、完全なエージェントとは言えない、そんな設定だったように思う。でも勘違いかも知れない。原作を読んだことがないので、もともとのイメージを知らない。映画で知れる限りは、作品によって設定はバラバラのようだ。

今回は元軍人で、はっきりエージェントとして採用されていた。しかも、自分の素性を恋人に明かしている。実際にそうする人がいるかどうか知らないが、CIA内部に勤務する上層部以外は、基本は家族にも秘密にする必要があると思う。証券会社勤務というのは、現実的かも知れない。

クリス・パインの魅力はよく解らない。颯爽としたタフガイのイメージには思えないのだが、今回の主人公は殴り合いが得意な人物ではないし、採用されて間がないから、必死に逃げているようなキャラクターとして適役、良い演技だったのかもしれない。ただ、魅力には疑問を感じた。主人公は、やはり颯爽として欲しい。

能力が素晴らしく、敵のスパイを突き止めるまでの頭脳の切れることの表現方法は、この作品は非常に上手く、感心した。でも、やはり映画の場合は見た目が大事。どこかベビーフェイスがかったクリス・パインは、頭が良かろうとセクシーさに欠ける。

せっかくナイトレイ嬢が共演していたが、ベッドシーンは本当にただ寝ているだけ。嘘みたい・・・・・実に健全な作品。子供にも安心して見せられそう。仮面夫婦か?・・・ということは、その方面では全くつまらないとも言える。恋人と観て悪いとは言えないが、非常に勧められるとも思えない。

上司役のケビン・コスナーはなかなかクールで良い味が出ていた。主人公がクールとは言えないので、旧来のスパイ役のイメージを保つ役割があった。もっと怖そうな人物のほうが良かったかも知れないが、重みを感じさせるキャリアがあるから、コスナーのキャスティングは成功だったかも。

見どころは色々あった。敵の首領との食事のシーンと、それに続く情報盗み出しのシーン。これは緊迫感がかなり出ていた。データに侵入する途中で、証券会社の同僚や上司と会話するシーンは結構笑える。敵側が気づいて反撃して来るシーンからカーチェイスになるシーンも、及第点を与えるべきと思う。

でもラスト近くでテロを防ぐシーンは、少し演出が古いような印象も受ける。昨今のアクション映画は専門のプロ達が凄いことをやってくるので、普通の戦い方では驚きがなくなっている。この作品の悪くない、かなり優れた戦い方であっても、非常に興奮できたとは思えなかった。

でも全体として、緊迫したスパイ映画の雰囲気が出ていて、勧善懲悪の流れに則り、まとまりのある良い話だったと思う。地域によってはヒットしたのでは?第二作目は作られるだろうか?

できるなら、今現在の戦争に関連するように、中東を舞台にしたストーリーのほうが良い。イスラム教徒の反発を生まないような注意は必要だが、舞台として中東はベスト。ロシアが相手では、観客の興味は削がれるはず。クリミアやウクライナ問題は大きいが、直接戦っているとは言えないから、無視されやすい。

あるいは何か特殊な訓練を受けてアクション的にも大活躍する設定、自分がエージェントになることに抵抗を感じる精神面の問題など、何か色づけのようなものが欲しいと感じた。主人公は悩みが少なすぎた。

日本にも特殊な能力を持つ分析官は必要と思う。

同盟関係にあるアメリカには大勢いるだろうから、そこからの情報は得られると思うものの、独自の力も絶対に必要。特に証券や為替の知識が豊かな人間は必要。一般の証券マンから採用できると思う。

特にアメリカの証券業界のどこか、投資集団が何か仕掛けてきたら、まさか米国政府が日本を救済することなどありえない。法的に問題がないなら、どんなアクドイことをやってくるか分からない。

もし日本に何かの攻撃をする場合は、テロや災害とともに、証券市場や為替の操作を同時にやったほうが効果は高いはず。四方八方が混乱し、手をつけかねているうちに支配を狙うはず。情報がないと、対処できない。

また、宗教の専門家や、イスラム圏の各国の情報通、ロシアや中国の専門家は複数必要だろう。そうでないと、事前に対処することが難しい。何か攻撃的なことをされて防戦一方になるのでは、最初から負けているようなもの。

原発事故の時も、国中の原発のことが頭に入っている分析官がいれば、何をすべきか直ちに首相にアドバイスできたはず。もちろん元々の設計や立地、想定が間違っていたから被害なしではすまなかったろうが、事故に関して首相が正しい対処法を知っているわけがないのだから、優秀な専門家が必要だった。

備えなかった役所の責任が最も大きい。

 

 

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