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2015年4月28日

蘇る金狼(1979)

Kadokawa

- 節制してた? -

平凡なサラリーマンの朝倉。しかし彼には大いなる野望がある。大金を手に入れ、会社の重役になり、御令嬢と結婚する。彼は行動を開始するが、会社、殺し屋、総会屋などとの激しい戦いが待っていた・・・

・・・なんで借りたのか忘れたが、DVDで鑑賞。公開当時大評判だったことは覚えている。本屋の宣伝が一番激しかった。あれだけ宣伝されたら、観ないわけにはいかないような気になるだろうが、観なかった。いちおう受験生だったからか?邦画を観ても、アクションの面でしらけると思ったからか?

DVDは画質が良くなかった。カメラの性能の問題かも知れない。ブルーレイ化されているらしいので、そちらで鑑賞したほうが良いはず。

主人公の存在感は素晴らしかった。ただのハードボイルドなワルではなく、とぼけた行動や、真面目すぎるヘヤスタイルがおかしく、ボクシングの時やアクションシーンで見せる引き締まった体型は格好良いなど、青年達が憧れる要素がたっぷり。イメージとして合う役者は、松田優作か千葉真一くらいしか思いつかない。

この作品は、その二人が共演している点が凄い。動きに関しては千葉のほうが本物なんだろうが、身軽な分だけ松田のほうが強そうな印象を受けてしまう。千葉の素晴らしい所は、良い作品のためには悪い役でも結構やっている点。この作品への出演は、考えようによっては引き立て役で、損な役割。でも、おそらく喜んで出ているように思う。

高倉健も若い頃はアクションスターだったが、動きに関しては松田のほうが見るからに身軽そうな印象。カンフースター達もいろいろいたが、この役はレスラーや兵隊のようなたくましさは似合わない。細身で身長が高い役者が理想だった。

とは言っても、敵が自動小銃を構えているところに走っていって撃たれないのは非現実的。安物テレビドラマなら許せるが、少し演出が不足していた。それに観た印象では、松田は足が非常に早いようには見えなかった。身のこなしも、品が感じられない。あのシーンはなくして、銃火器は拳銃だけにすべきだった。また、現実問題、忍び込んで複数の敵を倒したら、多勢に無勢、やがては疲れて殺されるのが自然。だから協力者がいるのが理想だった。したがって千葉が演じた人物とは共闘し、最後で仲間割れといった流れのほうが良いと、勝手ながら考えた。

ヒロインに相当する風吹ジュンも懐かしい。最近の風吹はお母さんかお婆ちゃん役で自然な感じが出ているが、この作品の頃は肌がピチピチしていて若々しい。27歳頃だから当然。当時は演技力に期待できる女優ではなかったので、お婆ちゃん役を演じるようになるなど想像もしていなかった。でも、美しく老けているのは確か。他の女優はかなりメイクで無理しているが、彼女は薄化粧でも通用するように思う。

もし本当にこの作品の主人公のような人物がいたとすると、おそらく体力を維持するために相当な節制が必要だろう。作中の主人公は夜に酒を飲んでいたようだが、禁止すべき。余分なカロリー、代謝への負荷は避けるべき。その努力が、いざという時のスタミナにつながるのだから。

ゴルゴ13を読んでも感じるが、バーで飲んでいたりしたら隙が生まれないはずがない。仕事が終わったら直ぐに家に帰るべし。何のために生きているのか解らないくらい節制しないと、命取り。

おそらく主人公は、家でも激しいトレーニングをせざるをえない。ただの腕立て伏せなどでは難しいので、かなりのスペースを使って飛んだり跳ねたり、周辺のランニングも必要。余暇のほとんどをトレーニングに使う必要がある。だから、この作品の主人公は、やはり実在感には欠けていた。何か設定を変えるべきだったかもしれない。

体が軽いと走ったりには有利だが、敵を殴り倒す、あるいは敵の攻撃に耐える面では不利。そこが演出の上で難しいところ。最近のジェイソン・ステイサムなら、身軽でしかも重量感もあるが、松田だと体が細すぎて敵が倒れるのは不自然。大柄で身軽、そんなアクションスターは滅多にいない。

普通に考えるなら、主人公は元自衛官か警官。何か問題を起こして守衛か清掃人かに再就職。暗い過去の経緯から、上流の人に激しい憎悪を持つ。そんな人物なら、怖ろしい計画を練っても不思議ではない。そんなキャラクターではいけなかったのだろうか?

この作品は子供には全くよろしくない。殺人、暴行、レイプ、盗聴、麻薬取引、違法な投与、犯罪のオンパレードで、そんな人物をヒーロー扱いするなんて、良いはずがない。面白く観るだけの人がほとんどでも、押〇学氏のような人物に影響を与えてしまったかも知れない。恋人と観る映画としても、問題がないとは思えない。

ただ、主人公はヒロインを捨てたがっていたようには見えなかった。意外に純情なところもあった・・・でもそれは、やや無理な設定でもあった。

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