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2014年11月 3日

ロミオ&ジュリエット(1996)

- 若いレオ様は素晴らしい -

バズ・ラーマンが監督した作品。なんで観る気になったのか忘れたが、目にとまったようでDVDで鑑賞。現代のベローナを舞台に、シェークスピア劇を再現している・・・が、そんな企画、誰が面白いと思ったのだろうか、最後まで製作者の感覚を理解できなかった。

現代版と言えば、「ウェストサイド・ストーリー」という古典的な作品がある。もはやいまさら現代版にしても、誰も興味を示してくれないのでは?そんな予感がするのが普通だろうが、よく予算がとれたものだ。

バズ・ラーマンの作品は、どれもあんまり好きではない。独特のカメラワークをしていて、非常にダイナミックでスピード感ある映像だとは思うし、この作品のラストの舞台である礼拝堂の映像は本当に綺麗だとは思うのだが、重みのようなものが不足しているような気がする。ミュージックビデオを撮らせれば最高、普通の映画ではクエスチョンマークといった印象。

それでも、この作品はなかなか魅力的だった。ディカプリオが特に素晴らしい。最近のレオ様は体格が良くなり、顔もふっくらして哀愁の気配が感じられないようになってきた。大柄体型の坊やとまでは言えないが、弱々しさや未熟な部分が消えて、かえって魅力を失ってしまったように思う。この作品やタイタニックの頃までの彼は最高だった。

このロミオは、明らかに喧嘩が弱そうな細身の体型で、心も未成熟、恋愛にのめりこんで失敗しそうな気配がプンプンする。実に役柄にはまっている。まさか彼がスパイになって銃撃戦や殴り合いをやって勝てそうには思えない。青春映画、恋愛映画に限定のキャラクターだったと思う。

なぜ彼があのままのキャラクターで大人になれなかったのか、その理由は分からない。頬に肉がつかないようにするためには相当な食事制限が必要だろうから、その点で現実的に無理だったのかもしれないし、タフな人物を演じたいという本人の希望のせいかも知れない。とにかく、残念だが「ギルバート・グレイプ」の障害者役や、この作品の主人公のようなキャラクターではなくなってしまった。

ヒロインのクレア・デインズも意外なほどに上手かった。絶世の美女タイプじゃないので、イメージとしてジュリエット役は相応しくないような感じがしたが、若々しくて一途な娘らしい雰囲気が充分に感じられ、ディカプリオの魅力だけでなく、彼女の魅力によっても、この作品は印象が良くなったと思った。

この作品は、たぶん今の若い人が観ても高く評価されそうな気がする。演技が派手で、セリフもかなり原作の通りだろうからくどすぎるが、純真そうな主演の二人の雰囲気の良さによって、作品の魅力はあると思う。たぶん家族で鑑賞するのも悪くない印象。殺人のシーンもむごたらしくはないし、エログロ映画ではないから。

この作品ができたくらいだから、ロミオとジュリエットは今後も繰り返しより現代版の作品が作られていくだろうと予想できる。恋愛~悲恋物語の基本となるシチュエーションがあるし、セリフが業界人に好まれるようだし、殺し屋や道化役、友情や勢力争いなどのプロットが網羅されているから、自分ならこう描きたいと感じる映画人が多いのだろう。

個人的には、全く異なる新しいストーリーがあるかに興味がある。毒薬を飲んで死んだふりするような展開が繰り返されると、よほどの魅力的な俳優か、凄い演出がない限り、興味を持って鑑賞を続けることはできない。全く違った展開に向かった方が自然だと思うし、観客の多くもきっとそうではと考える。いいかげんにシェークシピア作品の映画化は止めて欲しい。

でも全く世代が代わって、あと30年後くらいだろうか、レオ様さえ知らない世代が増えてきたら、きっとまた作られるんだろう。未来版だったり、ロボットや遺伝子操作などの要素を絡めて斬新さを狙うに違いない。あんまり観たくない。

 

 

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